オペラ上演の難しさ
来日中のザクセン州立歌劇場(ドレスデン国立歌劇場)。指揮者や歌手の交代劇が続いています。http://japanarts.cocolog-nifty.com/dresden/当初、「タンホイザー」「サロメ」を音楽監督のファビオ・ルイージが振り、「ばらの騎士」を準・メルクルが振る予定でした。ところが「芸術上の理由」とやらでルイージが「タンホイザー」ではなく「ばらの騎士」を振ることに。メルクルがタンホイザーに回るのですが、リヨン管弦楽団の来日公演もかけもちだったため一部予定が合わず、4日公演のうち2日はハンガリーのエトヴェシュという指揮者に替わりました。それから、タンホイザーでヴォルフラムを歌うことになっていたオラフ・ベーアも急病のため代役に。さらに、ばらの騎士で元帥夫人を歌う予定のアンゲラ・デノケがインフルエンザのためアンネ・シュヴァンネヴィルムスに変更。彼女はタンホイザーのエリザベートを歌う予定だったのですがばらの騎士を優先にしたためエリザベートはカミラ・ニールンドに変更。ニールンドはサロメを歌うために来ていたのですが、私としてはばらの騎士のマルシャリンを彼女に歌って欲しかったです。我が国の新国立劇場でも、今シーズン開幕からタンホイザーのタイトルロール、フィガロのスザンナ、カルメンのタイトルロールと、主役・主役級歌手の交代が相次いでいます。昨年のローマ歌劇場の来日公演では「急病のため」と発表しながら実はダブルブッキングが多発などという事件もありました。オペラの上演って本当に難しいですね。演奏ももちろんですが、こういった契約・確認・交渉などマネジメント面の問題が次々と。スター歌手を前面に打ち出してチケットを売っていた場合にこんなことが起こったら大騒ぎになるでしょう。当初の計画通りにすべてが終わるなんてことはまずあり得ないのではと思われます。週末、指揮者とソリストが交代したばらの騎士を観に行きます。さて、どんな演奏になっているでしょうか?