2006/05/28(日)23:44
江戸の黒いなり
東京の両国に八百善と言う高級割烹があります。
割烹料理と言うと、京料理に代表される洗練された薄味を
イメージしがちですが、江戸の割烹料理は当時としては貴重品
だった卵や砂糖をたっぷりと使った玉子焼き、きんとん、
かまぼこ、焼き魚など、どの料理もしっかりと味つけが施され、
汁気を残さないよう仕上げられる饗応料理と言うのが特徴。
主人が宴会食べ残したものを折詰にして持ち帰り、
その夜、奥方がお相伴する。さらに翌日、火を入れたものを
子供達が食べるということから「江戸料理は三度おいしい」と
言い習わされている。
日持ちがして冷めてもおいしく頂けるのが、江戸の味だそうで・・・。
そんな江戸料理を現代に伝える八百善ですが、
高級割烹料理のほかに八百善の名前を世に知らしめている物があります。
それが・・・ 「江戸の黒いなり」
ず~っと前から食べてみたかったのけれど、
なかなかお目に掛かれる機会がなくて・・・
・・・たまたまウォーキングがてら立ち寄ったスーパーにあったのです!
勿論! 早速、買って食べてみる事にしました。
先ず、箱を開けてみると・・・
黒いいなり寿司が御出座しかと思いきや、
口上書きが入っています。書かれていることは・・・
口上 黒いなりの事
もうあまりやらなくなりましたが、江戸の人寄せ事で二月の初午の祝い
というものがありました。
稲荷明神のお開帳の日で、屋敷内に稲荷明神がある家が親類知人を集め、
お祝いをするのです。この時は「あぶらあげ」を使った料理を一品入れる
慣わしになっていて、その当時、琉球王国から船で運べれた貴重な砂糖を
使ったいなり寿司はその中でも人気の一つでした。
八百膳でも元来おせち料理とおなじように、ご贔屓様や内々のものに
おすそわけをするものでした。それは他では決して見ることの出来ない
もので、黒砂糖をふんだんに使い、とろ火でゆっくりと煮込み、独特の香り
と色に仕上げました。
手間隙惜しまず、物惜しみせず、「旨味」を追う江戸料理。
どうぞ八百膳三百年の歴史をご賞味下さい。
割烹家八百膳十代目 栗山善四郎
・・・と書かれています。
この口上書きを取り外すと、出てきました「真っ黒いなり寿司!」
う~ん、会いたかった! この黒い姿。
でも、この黒さにちょっと驚きを隠せません。「味濃そう・・・」
黒糖に水飴を加えた煮汁によってあぶらあげは黒光りしています。
しかし・・・
食べてみると、これが意外に、見かけによらず優しいまろやかな甘み。
やはり、しょうゆの黒さではなく黒糖の黒さが優しい味になるのでしょう。
酢飯には白胡麻が混ぜ込まれています。
最近の子供は、寿司と言えば、ウニ・トロ・イクラと可愛くありませんが、
私の場合には子供の頃から、「おいなりさん」が一番!
今でも、コンビニや回転寿司でもいなり寿司に手が伸びてしまいます。
「おいなりさん」は関西人がいなり寿司のことをこう言うのですが、
このおいなりさんは一種のカルチャーショック!
でもでも、やっぱりおいしい「おいなりさん」です。
う~む・・・ヤバイ!
これは今後のウォーキングの立ち寄りポイントになりそうです。
ちなみに、この「黒いなり」東京以外の遠い所の人でも味わう事ができます。
楽天ショップで、コレを取り扱っている店があるので、お取り寄せ可能!
興味のある方は写真をクリックしてみてください、ショップにリンクしています。
一度は味わってみる価値あるかもしれませんよ・・・。
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