天使のナミダ

　バイトの帰り、とてもしんどく感じた。
　今日は、全然忙しくなかったのに、しんどくてしんどくて…

　朝起きたら、鼻水も咳も昨日よりひどくなった。
　やっぱり、昨日はちょっと無理した。一学期の実習の最終日と思って、休まずに、何とか頑張って行こうと栄養ドリンクを飲んで行ったから、免疫力が高まるどころか、更に低くなった。
　ちょっと無理しすぎたかも。
　「ボランティアでしょう？」と友達に責められたが…しかし、これは自己責任だから、ボランティアといって好き放題にやるのがやっぱりしてはいけないことで、受けた以上は責任がある。
　理解してもらえなくても、仕方がないこと。

　
　お母さんに電話したい。
　もう2週間以上も電話してない。
　今までは、毎週に一回は必ず上海にいるお母さんに国際電話していた。

　今頃、お母さんは何をしているのだろう？
　と常に思っている。
　
　上海はここよりも暑い。
　３８℃を越える夏は普通のよう。
　　　　　猛暑
　
　お母さんは冷房をつけているのだろう？
　こんな暑い日というのに。
　きっと使おうとしない。
　扇風機はもう精一杯！
　こんなに節約するお母さん。

　弟とは、ほとんど会話がないという。
　今年、還暦を迎えたお母さんはきっと寂しいだろう？

　でも、電話を掛けたくても、掛けられない。
　今の声を聞いたお母さんの反応は分かっているから。
　私の勉強については一度も心配したことはないが、日本に来てから、特に近年はいつも私の健康に心配してばかり。毎回毎回、上海に帰ると必ず漢方薬や栄養のつくものを買ってくる。高くても。自分にはあんなにケッチなのに…

　一人で日本にいて、勉強ばっかりして、貯金するどころか…
　ずっと苦労をしてきたお母さんに楽しい生活を送ってもらいたい。もうこれ以上自分を犠牲にして欲しくない。
　
　こころの中で、お母さんの無事と健康を祈る。
　早く病気を回復してお母さんに電話したい。
　安心させたい。

　今日も本屋さんへ行って、また本を買ってしまった。
　お母さんが一ヶ月働いて稼いだ給料の分とほぼ同じ。
　．．．　．．．

＜終＞