Gishの日記

2005/06/28(火)04:57

「出来ごころ」小津安二郎監督のサイレント映画 

映画(59)

テレビをつけたら偶然やっていたので見入ってしまった。懐かしいです。 小津安二郎監督と最初に出会ったのは、大学の映画論の授業だったけど、その時は「秋刀魚の味」を鑑賞し、退屈だなーと思ったのを覚えてる。 次に会ったのは、ちょうど私が会社をやめた時で、当時つきあってた男とも上手くいかずサイアクの日々を過ごしてる頃。三本800円で小津安二郎映画祭というのをしていたので、大女優・栗島すみ子見たさに行ったのだった。 月日が過ぎて、少しは大人になったのか、小津安二郎の映画は、すごく心に染みて私のやさぐれてた心が癒されました。 特に、弁士がいないサイレント映画は、字幕のみで、客が静に画面を見つめシーンとした中、映写機の音のみが聞こえてた。その雰囲気がすごい気に入り、映画館に通いつめ(なにせ無職でヒマですから)、小津作品をほとんど見てしまった。 「出来ごころ」は貧乏長屋の喜八が主人公の人情物。喜八の子ども役で、小津安二郎好みの汚いけど元気な子役(突貫小僧)が、いい味を出している。オー、飯田蝶子が若い! あと、純情可憐な伏見信子もよいけれど、なんと言っても大日方伝という俳優が素敵すぎ! 大日方伝は、二枚目俳優だけど、髪が長めで、その美しい顔と少し暗い瞳にグッと来てしまい、あの頃、一挙にファンになってしまった。よい写真がなく、大日方伝様のお姿を見せられないのが口惜しい…。 小津監督の「母を恋はずや」にも出ていて、そっちの方が余計に素敵です。昭和初期の退廃と昔の日本紳士の優雅さを感じさせる方なのです。

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