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山への情熱 音楽への愛

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2009年11月17日
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カテゴリ:山と音楽

日本の秋山を歩いて落葉松の黄葉に見とれた。同じ黄葉でも落葉松はどうしてこう胸を打つのだろう。笹尾根の落葉松は美しい時期に見ることができたし、晩秋に訪れた湯川ではすでに葉を落として枝だけだったがそれにも枯れた風情を感じた。そんな折も折、FM放送から松本美和子さんの「落葉松」の独唱が流れてきた。清冽なソプラノで日本的情感に溢れ、ひそやかでもの哀しく、一方では激情がほとばしる。

         11.14笹尾ねの落葉松.jpg 笹尾根の落葉松

落葉松という詩に曲をつけた有名な作品が二つある。白秋の詩はしみじみと心の中までしみこんでくるが曲はいまいち、野上 彰の詩に小林秀雄が作曲したものは両方バランスがとれてすばらしいが、私は曲の方が印象が強い。  

白秋の落葉松を読み、小林秀雄の落葉松を聴いてゆく秋の情趣にひたった。この秋の私はかなり感傷的になっている。

 
 詩 北原白秋 作曲 長村 金二                      作詩 野上 彰  作曲 小林秀雄

      落 葉 松                                     落 葉 松   

                  

    からまつの林を過ぎて、                落葉松の 秋の雨に
    からまつをしみじみと見き。 
    からまつはさびしかりけり。              わたしの 手が濡れる  
    たびゆくはさびしかりけり。
 
    からまつの林を出でて                 落葉松の 夜の雨に           
     からまつの林に入りぬ。
   からまつの林に入りて                 わたしの 心が 濡れる       
   また細く道はつづけり。              
 
    からまつの林の奥も
     わが通る道はありけり。                落葉松の 陽のある雨に
    霧雨のかかる道なり。
     山風のかよふ道なり。                              わたしの 思い出が濡れる

   からまつの林の道は、
   われのみか、ひともかよひぬ。                     落葉松の 小鳥の雨に
   ほそぼそと通ふ道なり。
   さびさびといそぐ道なり。                            わたしの 乾いた眼が濡れる
    

     からまつの林を過ぎて、
    ゆゑしらず歩みひそめつ。
    からまつはさびしかりけり、
    からまつとささやきにけり。

     からまつの林を出でて、
    浅間嶺にけぶり立つ見つ。
    浅間嶺にけぶり立つ見つ。
    からまつのまたそのうへに。

    からまつの林の雨は
     さびしけどいよよしづけし。
     かんこ鳥鳴けるのみなる。
     からまつの濡るるのみなる。
                
    世の中よ、あはれなりけり。
    常なれどうれしかりけり。
    山川に山がはの音、                                               
    からまつにからまつのかぜ                                       






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Last updated  2009年11月17日 10時51分21秒
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