2007/09/22(土)12:16
仙丈から甲斐駒へ【3】甲斐駒編
仙水小屋は,小さな小屋である。
定員の30人は,食堂にも人が寝ることによって,辛うじて収容している。
寝床が食堂兼用の部屋に当たった人は,否が応でも朝食の前に起こされる。
しかもその朝食は,午前4時。
ずいぶんあちこちの小屋に泊まってきたが,これほど早いところは初めて。
なぜこんなに早いかといえば,
甲斐駒に登って甲府へ帰ろうとすると,
北沢峠11:05分発のバスに乗らないと,次は広河原4時発までないからなのだそうな。
そして実際,そのとおりなのであった。
◇ ◇ ◇
その日泊まった22人中,4人が食堂に寝ることになった。
4時前に起こされるのは,ちと辛いが,真っ先に朝食を済ませられるのが利点。
身支度をして出発が4時40分。
まだ真っ暗。
ヘッドランプをつけて仙水峠めざして歩くのだが,
前の日に下ってきたおかげで道を知っているから,暗い中でもなんとかなる。
それを頼りに,一人即席の道連れができた。
黒戸尾根を下る予定なのだそうな。
30分歩いて仙水峠着。
ちょうど日の出の直前。
風が強く,雲は刻々と形を変える。
日は刻々と昇ってくる。
気がつけば,あっという間に20分。
その間に,黒戸尾根を下るという道連れは,「急ぎますから」と,先に登っていった。
こちらは余裕をかまして,樹林帯の登りのさなかに記念写真なぞ撮ったり。
1時間20分ほどで,駒津峰。
仙丈は,雲の中。でもって,風がびゅうびゅう。
しばらく行くと,
ようやく甲斐駒が顔を見せた。
六方石の先で,直登ルートと巻き道に分かれるが,
行きと帰りが同じじゃつまらないので,直登ルートを登る。
最初の方の大きな岩がちと大変だが,
危険な箇所もなく,面白い。
もっともペンキマークは最少限しかなく,下りには向かない。
8時15分頃,頂上に到達。
先行した即席道連れにも,もう一度会えた。
そしてようやく,富士山と北岳が見えた。
(クリックすると,大きなサイズで見られます)
さて,気がつけば8時25分。
昭文社の地図のコースタイムでは,甲斐駒山頂から双児山経由北沢峠まで2時間半。
バスの時刻が11:05。
う~ん,ぎりぎり…
まあ,それでも,
地図のコースタイムは大抵余裕を持たせてるから…
と思っていたら,
駒津峰まで戻るのに,ちょうどコースタイムどおりの時間がかかった。
駒津峰9時半。
そして双児山10時。
あと1時間で北沢峠へ降りないと,待ち時間が4時間…
幸いなことに,双児山からの道はかなりよかったので,
思い切って駆け下ることができ,
辛うじてバスの出る10分前に,到着できたのであった。
あ~,くたびれた…