ヨウショウ、ヨウセイ、ヨウセツ、、
~前回まで、そんなこんなで、今のクソ生意気な小娘のあたしからは自分自身でも既に想像できない遠い過去w 小さい頃のあたしは周囲から天才だ神童だと散々もてはやされたもんだ。 (↑ ここ、前回から繰り返してみたw)~中略~じゃあなんでそんないろんなコトが短期間で人並み以上にできるんだ?と問われると説明に窮するのだが、、荒っぽくたとえるなら、テストのときに一人だけ教科書やノートを持ち込みで受けているような、あるいはネットに繋がったPCで自由にググっていいような、、ある種の反則的な状態を作り出すことができる能力が、あたしには生まれついて備わっているからだ。。幼い頃、お稽古ごとや夢の報告以外にもうひとつ、外出時に母があたしに頻繁に繰り返した質問がある。「りっちゃん、今、なにが見えてる?」「りっちゃん、信号わかってる?」そう、、小さい頃のあたしは目の前にある物が見えていないことがよくあった。ていうか、実際にそこはない物を見ていたのだ。いや、霊能力とかじゃなくw理科系なので、霊の存在や魂の普遍性は物理法則からいっても統計学的にも信じられないし、今まで見たこともないwいわゆる霊能者といわれる人達のように、受動的になにか得体の知れないモノが見えてしまうんじゃなく、あたしが見ていたのは、想像したモノや、過去に集中して覚えたコトだ。もちろんだれでも、よく知った人の顔や、見慣れた風景を頭の中に思い描くことはできるだろう。でもそれはとても不鮮明なものだし、細部を詳細に描き出そうとすれば全体像がぼやけてしまうという、あたかも量子論の不確定性原理のようにとらえどころのないものだ。そういった不確かなイメージの範疇を超えた、一瞥した人の特徴や、一度見た本の内容を、実際にその人が目の前にいたり、その本を読んでいるかのように再現するコトができる、過去の日記で何度か書いた「内的視野」ってやつ、、肉眼で実際に物を見るのと同等かそれ以上に、明瞭かつ繊細に像を結ぶことができる圧倒的な視覚化能力。コレが時の権力者によって守られながら、母方の血筋に脈々と受け継がれてきた、あたしをいわゆる優秀な人間たらしめている力の基本的な部分だ。世の中には、脳の一部に障害があり、知的障害者でありながら、特定の分野に関しては天才的な能力を有する人達がいる。いわゆるサヴァン症候群ってやつだけど、その中に、特に視覚に優れ、風景を一目見ただけで、まるで写真をトレースしているかのように精密な絵が描ける人もいたりする。おそらくこの能力はソレに近いもんなんだろう。あたしがサヴァン症候群の人より有利なのは、その力にオンオフが効く点、本人が知的障害者じゃないので絵画以外にも有効活用できるって点だ。たとえば試験の前日にざっと教科書に目を通しさえすれば、当日は頭の中で、なんなら目の前に教科書をだして、たまにはふざけて黒板や前の席の子の背中に内容を投影して、ソレを書き写せば満点が取れてしまう。。体育やバレエの先生のお手本、プロの運動選手の動き。角度を変え、時にはスローで、脳内で何度も反芻すれば、筋肉量や柔軟性の限界を超えないかぎり、大抵の動きは再現可能だ。。そんなふうに、この力は幼いころからあたしにいろんな恩恵をもたらしてくれた。。。しかし性格形成に役立ったかといえば、甚だしく逆効果だったとしかいいようがない。大した努力もせずに優秀な成績を残し、教わったコトをそつなくこなせるのがあたりまえなら、ソレができない他者を下に見てはいけないと言い聞かせるのは、道徳観というモノがまだ漠然としか理解できない子供にとってはムリなはなしだ。。それにあたしは小学生のときに脚が不自由で、さらにはそのために運転手付きの黒い高級外車で送り迎えをされるという、かなり特異な立場にあったし、やはり相手を下に見てるっていうのはみんなに伝わるのか、しばしばいじめの対象にもなった。。まあ姉の虐待やリハビリの苦痛にくらべれば、罵声を浴びせられたり、多少の暴力など屁でもなかったのだが、、ソレだけじゃなく、あたしをいじめる相手、からかう相手には、例外なくあたしの視覚内でソレ以上の報復を実行していたのも平気な理由のひとつだった。あたしを殴ったヤツは血まみれで頭が変形して脳が露出してたし、あたしをからかうヤツ、気にくわないヤツの顔は、速水もこみちが速水いまいちになる以上にひどくゆがんでいた。。まるでお化け屋敷かホラーハウスの中で、まともな人間の姿をしてるのはあたし一人だけ、、ソレがあたしと、他の連中にふさわしい姿だとひとりほくそえんでたんだ。。いま思えば、そんな能力のムダ使いで、心の奥底にある絶望感をごまかしていたのかもしれない。。しかし中学生になり、脚も自由になっていたあたしは、反省するコトもなく、果てしなく増長を繰り返していった。。久実の存在も大きかった。あんなにキレイで性格も良くて明朗快活で、間違いなくクラスの人気者になれる子が、自分から友達になってと頼んでくるなんて、、人間関係というものを家族以外と築いたコトがなかったあたしにとって、やっぱこんだけ優秀で特別なあたしの良さは、ある程度は優秀なヤツじゃないとわかんないんだな!と勘違いするには、彼女は充分過ぎるほど美しかったし、あまりにも梨緒様フェチだったwでもまあハナから学校で友達など求めていなかったあたしにとって、友人は学校でいちばんキレイで誰からも羨望のまなざしで見られる久実がいればソレでよかった。。そんな、順風満帆というよりは、天上天下唯我独尊な道を突き進んでいたあたしの人生に、最初の翳りが訪れたのは中学3年のとき、、脚の怪我が姉のせいだという記憶がよみがえって一時は半狂乱になり、傷跡を治してようやく落ち着いたあたりからだった。。