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テーマ:お葬式・法事(245)
カテゴリ:徒然のこと
珍しく従妹からメールが来て、彼女の兄が亡くなったと言う。
兄妹二人暮らしですが、従妹が夜勤明けで帰宅し、いつもと同じように寝ている兄に声を掛けたところ、何度呼んでも目覚めなかったそう。 不審死ということで警察の人が来て、現場検証やらいろいろやっているところらしい。 司法解剖が必要なのですが、なんせ従弟は巨漢なので、警察の人は汗だくで三階の部屋から搬出していったそう(苦笑)。 割と淡々とした報告で、笑いまで取りに来てる感じでしたんで、「なかなか気丈だな」とか思っていたんですが、翌日になってパニック状態で泣きながら電話が来ました。 「今日、警察から遺体が戻ります。もう何も考えられなくて...。頼れる人が他にいないので、今日の葬儀社との打ち合わせに一緒に行って貰えませんか?」 時刻は既に午後2時、大急ぎで支度して、相模原に向かいました。 葬儀社のガンガンに冷房が効いた部屋で、4~5年ぶりに従弟と対面。体格は二回りほど増大して、髪も伸び放題の髭も大分白くサンタクロースじみて、20歳くらい老けたように見えました。でも妙に血色が良く元気そう(苦笑)。 検死の結果、直接の死因はなんと熱中症。しかも夜中の3時に...。たぶん眠ったまま逝ったと思われます。糖尿病を患っていたそうなので、てっきりそっちだと思っていました。熱中症もコロナと同じように、基礎疾患があると重症化するのでしょうか? 兄妹二人暮らしの生活を支えていたのは、8歳年下の従妹の方で、コンビニ等のアルバイトを掛け持ちして生活費を得ていたそう。兄の方は随分前に交通事故を機に会社を辞めてから、たまのバイト以外基本的に無職。この一年は仕事はもちろん、外にも出ない。タブレットは片時も放さず、一日中ネットでアニメ観賞の日々だったそう。 本人は「俺は別に食うには困ってないから」と豪語して、生活のためにアルバイト三昧の従妹をドン引きさせたらしい...(苦笑)。そんな感じなので、バイト収入がある時も、生活費の供出は出し渋るという 他にもいろいろとやらかしていたことを聞きました。 つまり、兄の死で従妹は解放されたとも言えるのです。複雑な心境でしょう.けど..。 遺体を前に、従妹の兄への愚痴が出る出る...(苦笑)。まあ無理もないですが。普段の従妹は決してきつい性格ではないのです。頼みの母親は既に亡く、ずっと一人で我慢してきたんでしょう。 「本人的には結構幸せな人生たよね...」と私が言うと、従妹は「楽しみにしていたガンダム(水星の魔女?)の最終話が見れないのが心残りかな。バチが当たったと...」(苦笑)。 本人は葬儀を望んでなかったそうですが、斎場で葬儀はしなくても、火葬は必要なわけで、それ伴う搬送代や火葬までの遺体の保管費用、人件費やらで見積額は30数万円。 「小さいお葬式8万円台~」とか広告を見ますが、内容を見ると、遺族の面会もないケースのよう。 経済的余裕のない従妹にとって、葬儀費用30数万円の臨時支出が大打撃であることは、想像に難くなく、結局、私と妹で10万円ずつ負担することに。当日は市営斎場(火葬場)で、従妹と我々姉妹の3人だけの小さなお別れ会。いつも従兄妹たちを心配していた都内在住の叔母も高齢のため出席できず、従兄弟達の参加もなし。従兄弟だとそんなものなんかな...。 葬儀社の方が用意してくれたトルコキキョウやバラなどのお花、本人の好物などを棺の中へ納めていきます。すると、葬儀社の方が従妹に何やらDVDを渡し、「"偶然"録れたんで、ガンダムの最終回です」と...。葬儀打合わせの日、我々の会話を聞いていたみたいで、何か心に刺さったんでしょうか? 葬儀社の方の心遣いのガンダムのDVDも棺へ。そうして、つつがなく火葬式を終えたのでした。 ルーティンにしている朝ウォーキングのコースに、ムラサキツメクサが咲いているのを見て、ちょうど亡くなった叔母のことを思い出していたんですよね。叔母のお葬式のために行った秋田で、野原にムラサキツメクサがたくさん咲いていたので。その叔母は今回亡くなった従弟の母親です。お知らせだったのかな...。 従弟が生まれた日のことを覚えています。当時私は3歳。病院ではなく、助産婦さんを頼んで自宅出産でした。大仕事を終えた年配の助産婦さんが、お祝いのワインのグラスを片手に嬉しそうに笑っていました。グリーンのワインボトルまでなぜか覚えてます。私は貰えませんでしたけど(笑) 母と叔母(母の妹)は近所に住んでいたので、毎日お互い行き来し、今回亡くなった従弟は完全に私たち姉妹の弟の位置づけでした。彼が幼稚園の頃、私たちは神奈川へ引っ越すことになり、姉弟のような交流はなくなりましたが、私の一番古い記憶(2歳の時)もよく夢に出てくるのも、叔母の家なのです。 いつも一緒にいた小さい男の子は、でっかいオッサンになり、そしていなくなってしまいました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.07.10 17:29:49
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