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カテゴリ:青年誌コミックス感想
ついに最終巻。
これまでの感想はこちら。 【内容情報】(出版社より) 響、大きな世界に向け新たなる道へ…!! デビュー小説『お伽の庭』が、芥川賞と直木賞をW受賞するという快挙を成し 遂げた鮎喰響。 常に己の信念を曲げない響は、その行動で世間の価値観を揺さぶってきた。 そしてそんな彼女も高校生活の最後を迎える。 『お伽の庭』のコミカライズを目論む天才マンガ家との対決や、50年ぶりに 文芸誌が創刊される中、響は自分の将来に向け大きな一歩を踏み出そうと する…!! 相変わらずのブレ無さぶりでしたね。 クリエイティブではあるけど、まるで協調性がないというか一切の妥協を しない響の書く小説は一体どんな内容なのだろうと最後に思いましたわ。 これで人間描けるのかしらん?と。 現実には苦悩する人間やウダウダやりながら生きてる人間が多いわけで響の ようには生きられない。 響はそういう人間たちをどう描いているのだろうと。 作中、響の小説が凄い!!ってことは語られてますが、文体が優れている他 具体的に響がどのように人物描写をしているとかはあまり描かれてなかった ですよね。 ま、漫画だからこそできるストーリーであり、面白さってことですけどね。 ラスト、涼太郎も全くブレてなくて安心しました。 一番響に近くて響の理解者でもある彼が、これまでのストーカー生活を一時 休止して、未来の響のために動き出してました。 響と常に一緒にいたいという自分の気持ちを優先するのではなく、これからの 響のことを考えて、自分ができる最善の選択をしたようです。 さすが涼太郎ですね。 しかも結婚するとか、そういうことではなくてずっと一緒にいるつもりで40 過ぎたらドイツでパン屋をやらないかって提案してるのも、これから先も響の 一番近くにいるってことは絶対で、響もそれを否定しないという何とも独特な 関係。 この二人なら有り得るよね、って思えちゃうのですよね。 むしろ、二人にとっては自然って感じで。 それにしても約束だとはいえ、紫の原稿を響が燃やしてしまうのはさすがに しんどかったですわ。 そこに至るまでの多くの人の努力が一瞬で葬りさられるのは辛過ぎる。 響には関係のないこととはいえ、非情だよなと改めて思いましたね。 ま、元々は響の許可を得ずに進めていたことが問題だったわけですけど。 結局、紫の作品自体は響も面白いと認めたし、約束通り原稿は焼いたのだから コピーを掲載したというのは有りでしょうね。 さすが、大人はあざとい。 とはいえ、ホッとしましたわ。 人が精魂込めて作り上げたものが無にされるのは気持ちよいものではないですし。 これまで響と衝突したり、響から危害を受けた人たちはもれなく響をかっこいい と思ってしまって、最終的には惹かれていってますよね。 自分には出来ないことをしていく人間や、自分の信念を曲げずに貫く人間に人は 憧れを持ったり、認めたりしてしまうわけです。 あまりに響は傍若無人ですけどね。 紫も響と同類のようでしたが、より上位互換が響だったってことでしょうかね。 明らかに体格差があるものだから油断をしてしまったのが徒になりましたね。 油断するところに響よりずっと人間味を感じましたけど。 一度くらい響が負けても面白かったかなと思ってみたり。 今後はイギリス留学しながら執筆活動も続けていくようですが、響の世界が広がる ことでまた彼女の作り出す世界も幅が広がりそうですね。 狂人的な響の行動が刺激的で楽しめたので、もう少し読みたい気持ちもありますが 卒業によって、現役高校生の小説家ではなくなりますし、ちょうどよい区切りだと 思います。 ラストは描き下ろしでしょうか。 響が「高校生はこうでなきゃね」って言ってますが、10年後の響も相変わらずの ように見えますけど、ちょっと変化もあったんでしょうかね。 綺麗に纏まってました。 オススメ作品ですv お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020年01月16日 23時40分46秒
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