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Little Butterfly

Little Butterfly

家族とのその後

Tがお座敷で私の家族に挨拶をしてからというもの、うちのお母さんは何かって言うと「T,T」と言うようになった。

前はあんなに反対していたのが嘘のよう。日本に帰ったときには用もないのにわざわざ東京ドームまで言ってTの好きな松井の所属していた巨人のユニフォームを買ってきてくれたり、私が家に帰ると、「これ、Tに持って行ってあげなさい」って、食べ物をい~っぱいくれる。そして、たまにこっそりTの携帯に電話してる事もあるくらい。一体何を話してるんだ~??

お父さんも、口には出さないけどTが家に来ると、上等の日本酒や焼酎を振舞ってくれる(すぐに寝ちゃうんだけどね)。あと、Tがお箸を上手に使えることを感心していた。「これをつかんでみろ」って酔った席で氷をTの前に差し出した。そして、Tがその氷を容易く箸でつかんだところ、「すごい!」とほめていた。私がつかもうとしたらつかめない!!解けかけの氷はお箸でつかむのとても難しいの!!それがつかめたT、やっぱり私の教育が良いのね...ふふっ(笑)。

それにお父さんはTのことは特に聞いてこないけど、どう考えても私が使わないOSU(Ohio State University, 私とTの大学!もちろんTはOSUのフットボールチームの大ファン!!)のビールの栓抜きだとか、ゴルフバッグとゴルフクラブのセット(お父さんのお古ね)をくれたりする。「これ、持ってけ」って渡してくるんだけど、「Tに」って事なのね。とても心が温まります。

この5年間、色々な事があった。Tとはいつもラブラブだったけど(バカップルだからね)、家族との事を考えると、楽しい事ばかりじゃなかった。むしろ、苦しい事がたくさんだった。でもこうして今だからここに書く事ができる。

お母さんは最近よく言う。
「前はTのこと、黒人だと思ってたけど、今はTはTだね。不思議と黒人だって思わなくなってきたよ。ほんと、不思議だね~」って。

でもね、お母さん。不思議じゃないんだよ。だって、肌の色は違っても同じ人間だもん。同じ事で笑って同じ事で泣くんだよ。その人のことを知ってしまえば外観なんてどうでもよくなっていくものだよ。

黒人のパートナーを持って、家族と気まずくなってしまう人って私だけではないよね。多分、黒人のパートナーを持つ人全てが経験する事だと思う。

私の場合は運が良かったのかもしれない。親もアメリカに住んでて時が来たときにすぐに紹介できる距離だったから。でも、親が離れていたりするとなかなかチャンスもなかったりするのかもしれないな。それに、どんなに近くにいても、どんなに努力しても受け入れてもらえないときは受け入れてもらえないのかもしれない。

でも、私のお母さんが言ったように「大事なのは子供の幸せだ」って親が思っていてくれたら、いつの日か親が理解してくれる日も来るんじゃないかな。これって子供のわがままなんだけどね...

私も家族がTを受け入れてくれた今、やっぱり自分はわがままだったって思うことがあるよ。でも、これからは家族を心配させないようにTと二人でがんばって幸せな家庭を築きあげていきたいと思う。私の育った家族のように温かい家族をね。

今、家族とうまく行かずに悩んでる皆さん。あきらめないで。そして口論や争いごとをためらったり怖がらないで。No pay, no gainだもの。自分の素直な気持ちを家族にぶつけてみて!

雨はいつか必ずやむよ。雨がやんだら虹がかかるから!


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