蜷の綿
2019年10月14日 観劇(彩の国さいたま芸術劇場 大ホール)世界のNINAGAWAこと蜷川幸雄の半生を描いた作品だってことはわかってた。けど蜷川作品を観てこなかった私にはそれ以上のものはなく、ただただ竪山隼太くんが出演するから観たいという理由だけで埼玉まで遠征した。リーディングというもは初めてだけど、どういうものかは想像つく。けど出演者44人とか、上演時間3時間弱とか・・・いったいどんな舞台なのか想像つかない…初日観劇した方々のツイート、ステージナタリー 公園レポートを見てもそれでも想像つかなかったそして・・・とんでもないものを観てしまったという感覚圧倒されて、ハンカチを握り締めていることに時折気づく…カーテンコールでの役者たちの表情に涙がとまらなくなった役者たち・・・平均年齢80歳のさいたまゴールド・シアターの方々と、平均年齢31歳のさいたまネクスト・シアターの方々総勢44人どちらも蜷川幸雄が立ち上げた激団。祖父母と孫…中にはそれ以上の年の差のふたつの劇団…以前、この写真を見て一度観てみたいと思ってた。幕の向こう…奥行のあるステージの向こうの方からこちらに向かって歩いてくるキャストたちを見たときは鳥肌たちました。中には車椅子の方もいて、それをネクストの役者がフォローしながら演じている舞台それだけでもまず感動私が知っている蜷川幸雄といえばシェイクスピアシリーズをやっていたってこととか、稽古中はかなり厳しいってことぐらい…映像でヴェニスの商人を観ただけ…だから蜷川幸雄というよりも一人の人の人生として観ていた(と思う)世界は俺だ俺が世界だ一人になりたい一人にしないでいろんな言葉を浴びた浴びすぎて未だ頭の中で整理できてない…できてないまま記憶が薄れていくのが恐ろしい蜷川さんのことはなにも知らないから、ときに、青年期の蜷川幸雄を演じている竪山くんそのものとダブらせる…何度も同じ場面が繰り返される演出にどんどん感情が高まっていく…(書きながら感情が高ぶって泣きそうになってる私)闘って闘って、走って走って、生き抜いてその魂を受け継いだ人たちの渾身の舞台。なんか・・・私はとんでもないものを観てしまったんだなって…観劇して2日経っても3日経っても抜け出せないでいる…3年前に上演されるはずだったというこの「蜷の綿」蜷川さんの体調不良で中止になり、そして亡くなり、今やっと日の目を見た「蜷の綿」ずっとずっと蜷川幸雄の世界を観てきた方々、ずっとずっとゴールド、ネクストを支えてきた方々の観劇レビューがとても重くて、もっと早く巡り会いたかったと悲しくなる。蜷の綿たったの3公演で終わり。千穐楽の15日は蜷川さんの誕生日であり、さいたま芸術劇場の25周年記念日であり、ネクスト・シアターの旗揚げ公演(10年前)の初日だったとか…もっと早く巡り会いたかった。。。だけどね、実際問題、今でこそ身軽に遠征できるようになったけど、恐らく・・・観に行きたくても行けなくて、そのうち興味も喪失していたかもしれない。こればかりは縁とタイミング。Take Me Out 2018で竪山隼太という役者を知り、唯一観た蜷川作品「ヴェニスの商人」にも出てたよね!ポーシャにお使い頼まれたときの一瞬の表情がすごく印象に残ったのは、こうなる運命だったのかな(笑)善悪の彼岸を観て、この役者をもっと観たいと思った。そしてこのハムレット、朝のライラック、蜷の綿でその思いが強くなると同時にネクスト・シアターの存在も…ここから…これからいっぱい知っていきたいなって思う。蜷川幸雄というよりどころをなくしたゴールドやネクストのメンバーが、今ここで「蜷の綿」を演じることで居場所を再確認したのかな…託された人たちの姿が眩しかった…終わりぢゃない。ちゃんと続いている・・・私は・・・もっともっと舞台を観たい!見続けていこうって思った。映画を観たり、本を読んだり・・・自分にない世界を知りたい…蜷川幸雄と「蜷の綿」 [ 蜷川 幸雄 ]価格:3520円(税込、送料無料) (2019/10/18時点)楽天で購入この話を作るために脚本の藤田貴大×蜷川幸雄の対談そして「蜷の綿」の戯曲が収められたこの本まだ60ページぐらいしか読めてないけど…これを全て読み終えたら、また観たい…蜷の綿叶わぬ夢かも知れないけど…余談ですが、この本 3520円蜷の綿観劇チケット 2500円決して本が高いわけではない。リーディング公演ってことでこのチケット代だったと思うんだけど…ガッツリ芝居でした。チケット代安すぎる…ま、私の場合ここに交通費3万円弱が加わるけど…それ以上に価値のある舞台でした。なにかが私の中で変わったと思う。たぶん…書こうと思っていたこと、書きたいことのほとんどをかけてないと思う。衝撃が強くて頭のなかごちゃごちゃ…それでもどうしても記憶って薄れていってしまうから・・・今思ったことを一気に書いた…今は読み返すのはやめておこうwww