12の型と能動的な聞き方親業には、12の型というのがあります。 12の型というのは「親としてかなりふつうな答え方」です。 でも、誰もが普通に言っているこんな言葉が、 実は、子どもたちの気持ちを親から遠ざけてしまうのです。 例えば、子どもの 「勉強ヤダ。。。やりたくない。。。」 に対して、普通、親はこのどれかに該当する答え方をするようです。 1.命令・指示 (子どもに何かをするように(しないように)言う) 「そんなこと言わないの!みんなやってることよ」 「何バカなこと言ってるの!勉強はちゃんとしなさい」 2.注意・脅迫 (子どもにあることをすればどんな結果になるかを言う) 「そんなこと言ってると、成績下がっちゃうわよ」 3.説教 (子どもに何をすべきか、しなければならないかを言う) 「嫌だからってやらないという訳にいかないでしょ・・努力しなきゃ」 4.提案 (子どもに、問題解決の、助言、提案を与える。親が解決策を出してやる) 「わからないなら、補習受けてみたら?」 5.講義 (情報・論理・親自身の意見などを説明する) 「勉強出来ることは幸せなことなのよ。世の中には勉強したくても出来ない子が沢山いるのよ」 6.批判・非難 (子どもに対し否定的な判断・評価を下す) 「あなたは弱音吐いてばっかり!」 「怠け者なんだから・・本当に困ったものだわ」 7.同意 (子どもの意見に同調したり、肯定的評価をする) 「そりゃそうだよね。勉強は嫌よね。私もそう思うわ」 8.はずかしめる (悪口を言う・ばかにする) 「ちゃんと勉強してる人が言うんならわかるけどね~」 「弱虫の言うことね」 9.分析 (子どもが何故そういうことを言ったりやったりするのか、その原因を分析する) 「授業をちゃんと聞いてないから、わからなくて、それで嫌なんじゃないの?」 10.激励・同情 (なぐさめて、今の気持ちを変えさせようとする) 「明日になれば、またちがったふうに感じるんじゃないの」 「あなたはやれば出来る子よ。今頑張れば楽になるよ」 11.質問・尋問 (親が判断するために、情報を子どもから得ようとする) 「いつからそんなふうに思うようになったの?」 「何の教科が嫌なの?先生は誰?先生に何か言われたの?」 12.ごまかす (注意をほかへそらそうとする。冗談でまぎらわせる) 「まあいいじゃない。もっと楽しいことを話そうよ」 「とりあえず、ご飯食べちゃいなさい」 こういう答え方をすると子どもは、 黙らざるをえなくなったり、反抗的な気持ちになったり、 自信を失くしてしまったり、圧力を感じたり、 信頼されていないと感じたり、自分のことを理解してもらえないと感じたり、 親は自分のことなんてどうでもいいんだと感じてしまうのだそうです。 このような12の型を避けるために、代わりに 「うん」「そうか」「そうなの?」「ふーん」「なるほどね~」 などの「はっきりと何も言わない反応」をするのが良いそうです。 それこそが、子どもの心の扉を開く最も簡単な方法だといいます。 そして、あなたの言っていることを私は理解しているよということを伝えるために 1.繰り返す 2.言い換える 3.気持ちを汲む という方法をとります(3つのレベル) レベル1は簡単ですね。 レベル2と3の方が効果的ですが、ちょっと難しいかな? こういった聞き方を『能動的な聞き方』と言います。 能動的な聞き方は、親が子どものメッセージだけを注意深く聞くので、 自分の思考や感情を、一時中断させた状態が要求される。 親が子どものメッセージを子どもの意味する通りに理解すること、 そしてそれを正確にフィードバックすることで、 子どもは自分が理解されたことを確認出来る。 (トマス・ゴードン著「親業」より抜粋) |