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「ラーマカムヘーン王の御代、スコータイのくにやよきかな、田には米あり、水には魚あり」 これは、13世紀末スコータイ王朝第3代目のラーマカムヘーン王がしるしたといわれているスコータイ第1碑文であり、タイにおける歴史上知りうる最初の食べ物に関する記述である。簡単に解釈するなら、スコータイにはタイ人の食の原点ともいうべき2つの食材が満ち溢れていたということである。米と魚。米の飯はタイ語で「カーオ」という。漢語ではうるち米のことを「粳」(カウ)と書くので、たぶん同一語なのであろう。タイ語と漢語とは古い時代において語彙のかなりの部分を共有している。親族の呼称、動物の名前など、タイ語の競う単語の野中には漢字で書くことのできる語彙が少なくない。それらが漢語から受け入れられたものであるのか、タイ語が漢語の中に入って漢字を当てられたものであるのかという判断は複雑で難しいが、漢語の音に通じているタイ語の単語が古い層に属するということはほぼ間違いないであろう。とすれば、タイの食卓の中心は、昔から現代まで、何といっても米の飯、それもうるち米なのだと想像がつく。一方、米の飯以外のものは十把一絡げにして「カップ・カーオ」つまり「飯と一緒に食べるもの」という名で呼ばれてしまう。