カテゴリ:偏食の本棚・本
スカートの中の秘密の生活
田口ランディ著 2001年初版発行 幻冬舎文庫 私がネットを始めた頃には彼女はまだ「コンセント」を書く前だったが、それでも既に有名なネットコラムニストだった。 久し振りに「再会」して、更にそれも「紙の媒体」という新しい世界だったので、読む前はちょっと不安に思ったが、ランディ姉さんは媒体や時の変化にも左右されることなく、あけすけで酔っ払っているようだった。 ランディ姉さんと離れていた間に私は竹内久美子女史に出会い、このテの話を面白おかしいだけではなく、裏を取りながら、分析しながら聞くようになった。その方が断然面白い。そのクセがついてから、ランディ姉さんの話を読んだので、最高におかしかった。多分、世の中の人が読んでいるのとはちょっとちがう読み方だろう。 彼女はきっと同世代というにはちょっとムリがあるくらい年上だろう。 だからなのか、その時代に憧れる反面、その尻の軽さに反発も感じる。 (余談だが、角田光代の尻の軽さには落胆を感じる) でも、頭で理解している宮台真司とは違って、援助交際する女子高生たちのことは肌で、心でわかるんだろうなぁ。 それが良いとか悪いとかではなく、わかっちゃうんだもん、仕方がない。 「小賢しくて愚かな少女の脳は3分の1が男とセックスのこと、残り3分の1がオシャレと食べ物のこと、そして残り3分の1でその他すべてをまかなっている」(P.90) のように、実際にそれを体験した上で自己分析した大人でないとわからないこともきちんと説明してある。 「心は身を愛している」と「心が身から3センチ離れている」というフレーズが、とても印象に残った。これはもっと時間をかけて咀嚼していくことになるのだろう。 当時は「ネットの書き込み一行で相手を判断する」なんてスゴイコトだったかもしれないけど、「新しい世界を渡るための処世術」として、今ではごく普通の能力になってきているんじゃないかな?それは男にも女にも必要だけど、多分、今までの進化の過程上、女の方がそれに長けているだろうし(彼女も「女が男を見定める時の集中力というのは並大抵ではないのだ」と、気がついている)、きっとだからこそ、ある種の「男」が必死になって、自分の頭で考えず『コツ』というものを把握できなくなるようにしているような気がする。 ちなみにギリシャ人の話、興味深かった。私は自分の前世のうちの一人がギリシャ人だと思っていたが、これを読んで確信した。対話は大切なのよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/07/04 04:40:11 AM
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