くどくど口説く柏木
円地文子訳の源氏物語を皮切りに、その後も源氏物語関連の本を読んでいる。円地文子の源氏物語 巻一円地文子の源氏物語 巻二やっぱり源氏はいい!と思う反面、あれが1000年も前の作品ということは、もうその後は何をやっても越えられないような、哲学における古代ギリシャ以降のような空しさもある。円地源氏を皮切りといったが、漫画「あさきゆめみし」は中学生の頃に読覇しているし、当然、古典漢文の授業で「いずれのお御時にか・・・」からはじまることや、「すずめの子をイヌキが逃がした」というくだりも学習した。当然、その奥にあるオトナの事情は伏せたまま。何も知らなかった紫の上が身体を壊すほど妻としての苦悩を味わい始めた年齢になった今日この頃、それは同時に源氏と酸いも甘いも分かち合った藤壷の女御の死期が近付いてきた頃でもあり、私も遅ればせながらやっと源氏物語の本当の面白さがわかってきた。いまや「源氏物語」は無人島に持っていくものリストのトップを地球儀と争っている。机上タイプのコレかストラップが妥当かなぁ無人島で源氏の何をじっくり読みたいかというと、まずはきっとスマ須磨の源氏を追体験するだろう。それからあの膨大な物語を一帖ずつ紐解いていきたい。しかし、読み始めは第一部のかなり後ろのほう、玉鬘が髭黒の大将に片付いたあたりから、幻の雲隠の巻まで行って、最初に戻りたい。そして、宇治十帖まで通読し、雲隠の巻を私なりに書きたい。多分それまでには助けが来るだろうし、もし書きあがってからも誰も来なくて、その地に散ったとしても私の雲隠は残る。あと1000年もしたら、2100年ごろに見つかった、幻の雲隠として本家に入れてもらえるかもしれないと、あくまでも楽観的に。中でもかなり注意して読みたいのは、若菜の巻にある柏木が女三宮と姦通する場面。柏木がくどくどくどくど口説いている。女三宮はあまりのことに呆然としていて聞いていない。そう、くどくど口説いても聞いてないんだよ。ミッチーの「くどくど口説く男」はたいしたことないな、と思ってしまうほど【CD】及川光博 / デビュー10周年記念ベスト・アルバム「博」 【CD+DVD】<2006/5/24>(あれも現代人の意識で聞いてるとくどいんだけど・・・苦笑)平安時代の男はくどい。あぁ、まだ口説いてるなぁ、と思いつつ読んでいたらいつの間にか事が終わっていたなんて、本当に柏木、くどすぎです。女三宮が呆れて言葉もないっていうの、判るような気がしてきた。だから源氏物語はやめられない、というか大人になってからはじめたい。さて、次は与謝野源氏に挑戦か?!谷崎源氏にも会ってみたい。え、源氏の君とまだお会いしたことがない?では、これなどいかが?超訳『源氏物語』登場人物からはいるなら姫君たちの源氏物語オトナなアナタには源氏物語眠らない姫たちお手数をおかけしますが、コメント・感想は目次ブログにお願いします。