親子生生流転記 from テキサス

相変わらず、健全で貧乏な我が家族。

健全である事に変わりが無いのは大変有難いが、

貧乏なのは変わって欲しい。



今日は４月とは思えない

かなりの寒さと雨にも関わらず、

こんな中、真剣に貧乏なので

ガレージセールを開いたバカ一家は、

何を隠そう我々です。



確か気温は氷点下に近い一桁度。

それだけではなく、雨も時折降っている。

ガレージだとは言え、完璧外だ。

寒い。

もちろん、真冬のコートを着用して

こんな中、

止まってくれるお客様が来てくれるのをひたすら待つ。

のは　バカ旦那と、

レモネード売りが趣味＆将来の夢　のアホ長男。



次男と私は暖房ガンガンに効かせた家の中で、

くつろぐ。



アホ長男が手袋をした両手を叩いて、

張り切って言う。

「そうだっ！

今日は、レモネードだけじゃなく、

ホットドッグも売ろうっ！

あと、寒いから、ホットココアも売ろうっ！！」

（あー、勝手にやってろ、やってろ～！）



そう言って、外に貼り付けるサインを書く長男。

出来上がったものを見ると、

字がかなり小さくて、

そんなんじゃ道行く人に読めるわけがない。



放って置けなくて、

思わず手伝ってしまう私。

大きく

『ホットドッグ　＄１』

『ホットココア　５０セント』

とサインを書く。

で、それを外に置かれたテーブル台に貼り付けるために

ガレージに出る。



は、恥ずかしい、、、。

やばいっ、

こんなにクソ寒い中、

こんな所で（って自分の家ですが）

死に物狂いで

ガレージセールなんかやってるこいつらと

一緒だと思われてしまうじゃないかっ！

（一緒に住んでる家族だ、

ってバレバレなんじゃないですか？！）



なんて思っていたら、

なななんと、

１台の車が止まるではないかっ！

で、車の中から色々こっちを覗いている。



か、隠れろーー！

恥ずかしいっ！！

（って、それじゃ意味ないじゃん？！）



だがその瞬間、

うちのアホ長男は、

ドライブウェイに飛び出して

大きく両手を振りながら、

全身で貧乏オーラ出しまくりで踊りながら、

気が狂った猿のように

「レモネード！ホットドッグ！！」

と叫び出した。



「や、やめろー！

みっともない！！

そんなに飢えてる事を丸出しにする事はないだろー！！」

と言って止めさせた。



結局、その車の人も、

車から出ることはなく、

その後すぐ行ってしまった。



そ、そうだよねっ。

止まったのは、何かの間違いだったんだよねっ。

こんな日に、ガレージセールやる人もおかしいけど、

買いに来る人はもっとおかしいよね。



そう思い、

何故か安心して、

また温かい家の中に戻る私。



１０分ほど経ったか？

「寒いっ～～～！！」

鼻水を垂らした長男が、

震えながら家に入ってきた。

「僕、思うんだけど、

ホットドッグを買ってくれた人には

レモネードとココアを

ただであげるっていうのは、どう？！」

と言いながら、

自分の売り物のホットドッグを食っている。

（はいはいっ、勝手に何でも思っててくれ～！

あたしゃぁ、ちょっくら寝るよ！

↑貧乏なのはこいつのせいじゃないか？！）



暫くすると、旦那の声が！

「おーい！お客さんだよ～！！」



「え～！？！？」

こんな寒いのに、信じられないっ！

と言うより、

寒いのに、外行かなきゃダメぇ～？！

といった私の反応。



母親と１０代半ばくらいの娘さんだ。

私の、さびた安物ジュエリーをいくつかと、

アルバム２冊と、

そして、

長男かなりしつこくお勧めの

ホットココアをお買い上げ！！

計＄６.５０。



こんな天気なのに、変な物好きがいるもんだ

（お買い上げくださって、ありがとうございますぅ）

と思いながら、

また家の中に戻ってくつろいでいると、

また旦那の呼ぶ声が。



今度は３０代の黒人夫婦だ。

ダイニングチェアー（１脚＄２０）を２脚お買い上げっ！！

計＄４０。



へぇ、こんな日でも、止まって見に来る人、

いるんだぁ！

と、その方たちのお陰でたったの約２～３時間で

＄５０近く稼げた訳なのですが、、、。



そして

余ったホットドッグを食べる猿一家でありましたとさっ！

めでたし　めでたし。