音
タブラ奏者で日本にも何度か来たことのあるタイと今仕事をさせて頂いている.ヨギーでも,WSを一緒にさせて頂いたこともある.素敵なミュージシャンだ.今絡んでいる仕事は,あまりノリノリではない音楽が絡んでくる.タブラという,リズムを奏でる太鼓の音とは全く違った音が作られる.タイは,さすがプロ.こちらの意図する音楽を用意してくれている.さらに,コンピューターの画面を見せてくれつつここからピアノの音を削除するのは簡単だよと丁寧に教えてくれる.主人が音楽を作っている時に見る画面と似ていた.音楽を平面の波形で見るのは,素人の私にとっては,非常に不思議で神秘的でさえある.音は耳で聞こえるもの目で見えるものではない.音と光,速さだって違うものなのにその音を,視覚で表すコンピューターって素人ながらに,改めてすごいと思う.全ての音の根源ともいわれ言葉では表せない全知,全能,偏在の意識を表す音ともいわれるオームという音.ヨガでもいつも唱えられる.この音を,言葉で表すといろいろな表現がある.絶対的存在の象徴普遍的な本質を表す聖なる音宇宙の始まりの音とも言われる.ヨガを学んだ人でさえ,わかったつもりでいるけれどそれは理性の限界までだ.A,U,Mの3音から成りたち,Aは始まりの音,Uは中間,Mは終わり,そしてそのあと無音があると簡単に説明されもする.覚醒した意識,夢見の意識,熟睡の意識,それを超越する意識だとオームの1文字そのものの意味を言われると全てを網羅している意識なのかと思いを馳せる人もいるかもしれない.ヨガのクラスでは,このオームを三回唱える.残念ながら,多くのNYのヨガスタジオではこれをアウンと発音していたが初めてインドでこのオームの音の調和を体験した時そこには男性も多かったので響きと音色が絶妙なハーモニーを生み出していて除夜の鐘の音と似ているなんて美しい音なのかと感動した.今は,TOKYOスタジオは広いのもあって男性が多いとこれまたいい音が出てその神聖な音が部屋中に美しく振動して毎回体が震えるような感覚になる.オームの音の持つ真の意味と体験は,悟りを開いた聖者が知りうるものだと思う.一般の私としては,いつも瞑想やチャンティングでこういった音のマントラを使うことでそこへ近付くというか思いだすというのかそんな機会を頂いているのだと解釈している.何度もいとしい人のことを想って,わくわくするように何度も喜びあふれる思いでを思い出して,喜びで満たされるように何度も繰り返すことは,たとえ意味が抽象的だとしても’その’感覚へと連れて行ってくれるものだ.