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2007年02月14日
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モントリオールでの入管での列で初めて私は実感した。
ここはフレンチカナディアンの土地なんだ、と。
並んでいるほぼ全ての人がフランス語らしき(私はフランス語と他の国の言葉の違いがわからない。爆)言葉で話している。アジア人は数数えるほどしか並んでいない。しかも、私は女一人旅だ。ちょびっと不安になりながら入国管理人のところへ行った。彼はやはり「ボンジュワール」と始めたが、私は「ハロー」と答えた。

入管の人はまるでお経を読むように単調に質問してきた。

アメリカの、どこから?」

「何年アメリカに住んでるの?」

「モントリオールではどこに泊まるの?」など、ごく一般のことを聞いてきたので私も真面目に答えていたのだが

「今回の旅行目的は?」と聞かれた時、すかさず、

モントリオールカナディアンの試合を見に!!」

と息つく暇もなく答えたら、今まで単調に質問していた彼の顔つきがパッと明るくなったような気がしたかと思ったらポンポンポンっとはんこを押して「よい旅を。マドモゼール」とお尻の痒くなる言葉をまた発したのであった。。。

こうして無事、入国ができたものの、空港から降りるや、もうそこはフランスと言っておかしくないくらいフランス語が立ちはだかっていた。(汗)そう、カナダと言えどコベック州の人達の主用言語はフランス語なのだ。ただ、観光客に慣れているような、ホテルやレストランなどは英語でも大体通じる、と聞いていたので私はまずシャトルバスの往復券を買おうと売店へと向かった。

「往復券を2枚ください。」

この程度の英語なら私もかなりフツーに慣れたもんでペララと言う事ができる。

それなのに、おばちゃんが返してきた言葉は

「アァ~~~ン???」

はぁ

だった。。。(汗)(↑土佐犬さん、何度もすみません。汗)

い、今の英語、間違ってないよね???と咄嗟に下手な英語を反芻してみたが、やっぱりどう考えても間違えていないように思う。(もうここで私の今まで持っていた自信が崩れたことは言うまでもない。) 

さっきよりも幾分緊張しながらもう一度、はっきりと「往復券を下さい。」と区切り区切り言ってみたら、やっとおばちゃんは私がフランス語を喋れないことを悟ったのか(香港へ行くという間違った予測はできてもアジア人だからフランス語が通じないという間違わないかもしれない予測はできないのだろうか?)「22ドル50セントだよ~」と答え、私は換金したばっかりの50ドル札を払った。おばちゃんは20ドル札と何やらコインをくれた。思わず「おばちゃん、計算間違ってるよ」と言いそうになったが、よく見ると1ドル、2ドルはお札ではなくコインだった。(何も言わなくてよかった。汗)シャトルバスの往復券を買ってしまったものの、そのバスが私の行きたいホテルへ行くのかどうか、急に不安になってしまい、またおばちゃんの所へ戻り、今度はプリントアウトしてあったホテル名と住所を差し出し、身振り手振りで片言の英語を続けてみた。

「バス、ゴー、ディス、ホテル?」 (バス、行く、この、ホテル?)

そうするとおばちゃんは

「イェーイェー、バス、ゴー、ホテル」

ブロークン英語のほうが通じやすいのね。。。。(汗)

やっとの思いでバスに乗り込み、ホッと一息をつきながら感慨深くモントリオールに来た事を思った。

が。

情緒に浸っている間はほんのわずかだった。

と、いうのもそのバスは大きなバス停のようなところで止まり、乗客全員ワヤワヤとそのバスから出て行くではないか。。。私は何が起こっているのかもわからず、それでもそのバスからは降りなければならないことだけは察したので一応降りて、事の成り行きを見守っていたが、どうやら乗り換えが必要ならしい。

.............汗............


おばちゃんの嘘つき。(大涙)


「イェーイェー、バス、ゴー、ホテル」

って言ったから、おばちゃんを、信じちまったじゃない。乗換えが必要だ、なんて、言ってくれなかったじゃないの。ぶーぶー。。。

心でそう思いつつ、バスから荷物を運び出すおじさんに聞いてみた。「このホテルに行きたいんですけど次はどのバスに乗ればいいんですか?」おじさんはプリントアウトした紙を見て、いとも簡単そうに「あ~、このバスに乗ればいいよ」と比較的小さなシャトルバスを指差した。先ほどの「イェーイェー」おばさんで不信感を持ってしまった私は

「ほんまかいな」

と不安は隠せなかったが、とりあえず、おじさんの言われるままにその小さなバスに乗り込んだ。シャトルバスは私達を乗せて、どんどん市内へと向かっていった事は街並みを見ているだけでわかった。

古い建物、教会が立ち並んでいた。そのどれもが美術的で、さすがにフランス系の住む街だと圧倒された。空は少し曇り始め、本当にカナダと言えど違う国へ来た気分はぬぐえなかった。

バスの運転手のお兄ちゃんが「ここが君のホテルだよ」と言ってふと我に戻った。ホテルは質素な感じだった。(一番安かった。涙)フロントデスクに2人の男の人がいて、私を見てニッコリ微笑んだ。そして、やはり「ボンジュワール、マドモゼール」と、その時にはもう、慣れっこになってしまった言葉が出てきた。

チェックインを済ませたら、何か食べなきゃな~なんて考えながらフロントに突っ立っていたのだがフロントデスクの人が「たったの2日、滞在なんですね。お友達に会われるのですか?」と聞いてきたので思わず

「いえ、モントリオールカナディアンを見に来たんです!!!」

と鼻息を荒らしながら答えてしまった。どうも

「モントリオール」

と言う言葉に力がこもってしまって困る。

彼らは顔を見合わせて、「しかも、お一人で?」と聞くので、そうだ、と言うと、もう一人のフロントデスクマンが「本物のファンですな」と言う。心の中で私は(いや、アービーを見に来たのだ)と叫んでいたのだが、この際好かれるほうが何かと特かもしれないと思い(?)、ニヤニヤして交わしてしまったら(汗)、今度は「どこから来たのか?」と聞かれたのでこれまた胸を張って

「デンバー、コロラド!」

と鼻息をまくと二人のデスクマンは顔をまた見合わせ、交互に、こう言い放ったのだ。


「デンバーにはえらく高くつくバックアップゴーリーがいるねぇ~。」
「うちには2人も先発ゴーリーがいるのにね~。」

間違いなく、彼らはアービーの代わりにモントリオールからトレードされたジョーゼィテオドーの事を言っているのだ。テオドーはコロラドにトレードされてきたものの、(私はコーチングが悪いせいだと思っているが。)全然期待していたような成果を出す事ができず、今やバックアップゴーリーだったはずのピーターブダイに先発ゴーリーの仕事を取られてしまったかのような状態で、しかも5.5ミリオンという莫大なお給料をもらっているがために、(サラリーキャップが導入されてしまった現在のNHLでは)トレードに出したとしても、誰も使えないゴーリーに5ミリオンという金額を払おうとは思わない。モントリオールでの最後のシーズンではかなりブーイングされていたテオドーだから、現在の彼も不調だということはモントリオールの人達にとって愉快で仕方ないらしい。

おっと

 

テオおそまつ

年配のほうのデスクマンが「いや~、これは復讐だよ、モントリオールからの。君達は僕達の最高のゴーリーを10年前に奪っているからね。」と言った。これはもちろん、あの、我がパトリックワーの事を指しているのだ。そこで私はニヤっと笑うのを隠せなかった。

「そうね、ただデンバーは最高のゴーリーを奪ったわけじゃないわ。彼はモントリオールを自ら“辞。め。た。”の、あなた達は彼の扱い方を知らなかったから失っただけよ。そして、デンバーは彼のおかげで2つもスタンレーカップを頂いたしね。」

(↓感動の95-96年優勝、パトリックとスタンリーカップ)

roywithcup.jpg

(感動の2000-2001年優勝、左からレイボーク、コーチハートリー、パトリックワー、ジョーサキック↓)

Avs.jpg

と、言い返してやった。(痛快。笑。)しかし、この写真と上の写真を比べるとますますテオドーが哀れに思われる。。。(苦笑)

デスクマン達は私がそこまで知っている、という事を知らなかったのか、予期していなかったのかわからないが、少しだけ、くやしそうな顔をして苦笑いした。若い方のデスクマンが部屋の鍵を用意して「ようこそ、モントリオールへ。」と言って、やっと私は部屋へ通されたのだった。

それにしてもホッケーのメッカというのはウソではないらしい。
コロラドだと、まずこんな会話は入管やホテルロビーで成り立たないんじゃないか、と思う。

コロラドはやっぱりまだまだフットボールタウンだ。もし、誰かが「デンバーブロンコスを見に来た」と言うならば大概の人は大歓迎するだろうし、チームの話で花が咲くかもしれないが、アバランチはまだまだ歴史が始まったばかりだし、浸透しきっていないし、コロラドのホッケーファンの、ホッケーに対する知識というのがあまりないし、(人のことは私もあまり言えないが。汗)どちらかというとカジュアルファン(ハードコアファンに対して)が多いように思う。

そうして、部屋でシャワーを浴び、とてもじゃないが、レストランで何か食べる元気もなかったので近くにあるグロッサリーストアで食料とワイン、それからもちろんジャックダニエルだけ買いこんで金曜日は雪と共に終えたのであった。。。。

(あ!もちろん、こんなにたくさん買い込んだのではありませぬ!これは、だんなが仕事場で頂いたものを写真に収めただけであります!!↓)

selected jack.jpg






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最終更新日  2007年02月14日 19時16分28秒
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