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仕事で、小学校の社会科の授業を見学した。
すごく、スルドイ子がいてビックリした。 授業のテーマは元寇。 元寇というのは、今から約700年前、2度にわたって中国の元(モンゴル)軍が福岡に攻めてきたできごとのことだ。 きっかけは、日本を属国になるように送った元の使者を時の鎌倉幕府(北条時宗)が首をはねたことである。 1度目の来襲では、対馬をはじめ元の近代的な兵器になすすべもなく前線を後退させていった。余談だけど「むごい」という言葉はこの対馬での凄惨な様子をあらわし、全国に広がったらしい。幕府の負け戦だったのだけど、奇跡的に台風が元の舟を沈めて、退却させた。 それから、鎌倉幕府は九州の武士に命じて持っている田畑の広さに会わせて防塁をつくらせた。防塁の高さは3メートル。25キロ~30キロにわたって博多の港に築かれた。 ちなみに、福岡市の百道(ももち)あたりにはその残骸の防塁が「元寇防塁跡」としてわずかに形をとどめている。 2度目の元の来襲では、この防塁がチカラを発揮した。約50日に渡って元の軍隊の博多上陸を阻止し、最後は1度目と同じように台風が原因で元の軍隊は退却した。 元の来襲はしのいだ幕府だが、出陣した武士たちは恩賞(土地)を幕府に要求したが、幕府はこれに十分にこたえられなかった。 今日の授業はこんなところだった。 先生が問い掛ける「どうして武士は恩賞として、土地を欲しがったのだろう?」。 そこから、分割相続の話しにもっていき、「子孫に十分な土地を残す為」というところに上手に子どもたちをリードしていっていた。 多分、次の授業では、武士達に十分な恩賞を与えられなかった幕府はやがて、求心力を失って行き・・・みたいな流れになるんだろうなぁと、思っていたら、一人の少年が発言した。 「これは、次の(授業)時間の話しかもしれないけど、守るだけの戦争は損だと思った。戦争は他の国の領土を取って、それを兵士に与えないと。守るだけだったら、与える土地がないから、国内だれかの土地をとりあげることになって不満とか不安とかががたまると思う」 すすげー。かっちょいいよガキンチョ。 私は、受験のためにゴロあわせで事象を暗記するだけだったさ。高校生の時点でさえ、歴史の考察をこんなにしたことはない。 専守防衛ってのは、いざ戦争になったら何も得ずに損するだけなんて、今気がついたよ。 日本が、国を守る為に戦争に巻き込まれたら、多分その戦いに勝ったとしても、政治の実権は覆るだろうなーーー。 アメリカの世界戦略もココが「胆」なんじゃないかと、でかける、闘う、ぶん取る、兵士に分け与える。兵隊強くなり、またぶん取れる。 だから、ぶん取る石油がある「イラク」には出て行くが「北朝鮮」には出て行かない。 まあ、そんなことはどうでもいいけど、考えるチカラのある子どもはすでに小学生のころからこんな社会の授業でもいろんな角度から考えているんだなー。小学生の中では生きにくいだろうなー。先生も教えにくいだろうなー。あきらかに異質。 ある意味、国の未来をたくせる人材を育成するためのエリート教育って必要じゃないだろうか。この賢い子らが育ったとき、金儲けだけに知力を使うのはもったいなかー。 すごく賢い子をあつめて、理念っていうか、誇りっていうか、選民意識と引き換えに、国や国民に対する「理想」や「責任感」とそれを実現できる「知力」を植え付けるエリート校が必要かな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年06月02日 23時38分03秒
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