カテゴリ:読書
手術の前の晩に病院のベッドで横になりながら読み始め、その面白さに夢中になり、明日が手術だという不安すら吹き飛ばし、取り付かれたように読んでしまった本です。
「砂漠が美しいのは、どこかに井戸を隠しているからだよ」と、星の王子様はいいましたが、「東京が興味深いのは、どこかに地下が隠されているからだよ」といいたくなってしまうほど、自分の住むこの街が違った目で見えてくる1冊です。 ほんの数十年前のことすら、本質が隠されているような気がしてきます。 その時々の上層部の様々な思惑。 作者の推測の域を出ないのかもしれないけれど、とても力強く、可能性としての東京の地下に隠された疑問を語っています。 大きな地図を片手に、もう一度東京の地下を、そして地上を歩いて見たくなります。地下鉄に乗って真っ暗な中、それでも窓の外を眺めてみたくなります。 地下鉄のカーブを意識し、坂を意識し、乗ってみたくなります。或いは、壁など叩いてみたくなります。 利用しているのに、自分の目に見えていない部分に何があるのだろうか、都会の魔力・魅力・都市伝説・謎・・・いろいろなものを想像しながら、東京の地上に生きていることが砂上の楼閣にでも居るような気すらしてきます。 戦後61年。もう、なのか、たったなのか。明治政府からだって、150年ほど。 いや、大田道灌が江戸城築城したころから、東京の地下には秘密があるそうです。400年以上の謎の上を、何も知らずに生活しているかもしれないと思うと、不思議な気持ちになります。 同じ作者の他の作品も夢中になって読んでしまいました。 今度ホームページも見てみようと思います。 秋葉 俊 『新設 東京地下要塞』 講談社 ![]() こちらは文庫です。 『帝都東京・隠された地下網の秘密』 ![]() 『帝都東京・隠された地下網の秘密 2』 ともに新潮文庫です。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年08月15日 19時02分05秒
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