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カテゴリ:【アニメ】劇場版レビュー
©藤本タツキ/集英社 ©2024「ルックバック」製作委員会 ※人名、組織名などは敬称略でお伝えしております。 背中に始まり背中で終わる映画!「Amazon Prime Video」で配信が開始されたので視聴した。 原作は読んでいたが、結構前の話なので細部までは覚えていない。 さて、さっそくアニメの感想について。 結論から言えば、かなり面白かった! アマプラを契約をしている方で、 まだ見ていない方はぜひ見てほしい! 「58分」という短さなので、 合わない方でも時間を無駄にした という感覚にはならないと思う。 漫画へのひたむきな想いを描いた作品なので、 何かに打ちこんだことがある方はもちろん、 何かに夢中になりたいという方にも刺さるハズ。 とはいえ「喜怒哀楽」すべての感情を 揺さぶられる構成になっているため、 1本の映画作品として楽しめるのは間違いない。 できるだけ多くの方に視聴をオススメしたい作品だ! 個人的に気に入ったポイント!
●アニメーションならではの表現! 原作をすべて覚えているワケではないが、 それなりに追加された描写もチラホラあった。 それらが違和感なく溶け込んでおり、 わかりやすさや感情移入の助けになっていたと思う。 ダイナミックな動きや大胆なアングルは、 アニメーションならでは! しかし、原稿執筆中など派手に動かないシーンでも、 細かな動きを表現しているため一時たりとも目が離せない。 ●過不足なくまとまった物語! アニメ映画の中では、かなりセリフが少ない部類。 ただ、動きや表情をじっくりと見せてくれるため、 登場人物の心情がわかりにくいということはない。 むしろ余計なセリフがない分、 キャラクターの内面に考えを巡らす余地が生まれ、 視聴者側に余韻を与える演出になっていたと思う。 それでいて物語もテンポよく進んでいくため、 「58分」という尺の割に満足感が非常に高かった。 ●主役2人の見事なキャスティング! 「藤野」役は「河合 優実(かわい ゆうみ)」で、 「京本」役は「吉田 美月喜(よしだ みづき)」。 2人とも声優が専門ではなく 女優業がメインのようだが抜群に合っていた。 キャラクターの成長に合わせて声の調子を変えていたし、 いわゆる声優的な発生やセリフ回しではない演技が、 本作の雰囲気にマッチしていたと思う。 藤野が描いたマンガ内のシーンのみ、 有名声優が声をあてていたようなので、 現実と創作の世界で差別化を図っていたのかもしれない。 まとめ!最後に私の意見をまとめておこうと思う。 何の根拠もない個人的な感想なので、 適当に読み飛ばしていただいて問題ない。 あと、ボカシているとはいえ、 多少はネタバレが含まれている点はご容赦いただきたい。 作中で「京本」は「藤野」がいたからこそ、 部屋から出ることができたと言っていた。 それは間違いないだろうが、 実はあのタイミングで藤野が訪れなくても、 いずれは自らの意思で美大に進んでいた可能性はある。 それは終盤のもしもの回想からも明らか。 一方、藤野のほうはどうだろうか? 彼女は京本に出会わなければ、 おそらくプロの漫画家になっていない。 漫画は描いていたかもしれないが、 「藤野キョウ」は生まれていないので、 現在の藤野になることは絶対にない。 つまり、何が言いたいかといえば、 お互いの人生に与えた影響の度合いで言えば、 「藤野<京本」ではないかという話。 それを藤野自身も感じていたのではないだろうか? 京本にサインを求められたあとの帰り道。 あそこが藤野の人生の中で、最も心が弾んだ瞬間だろう。 目標としていた人物の背中を追いかけていたら、 その本人から認められていたのだから当然だ。 時は進み成長した藤野が、京本の自室を訪れる場面。 別の道へ進んだと思っていた親友が、 昔書いた自分のを掲げいるだけでなく、 今の自分が生み出した作品を読んでくれていたと判明する。 京本の自分に対する想いを感じ取り、 藤野は再び歩き出せるようになった。 過去を振り返ることでしか 京本に会うことはできないが、 自分が漫画を描き続けることで、 彼女が憧れてくれた背中を誰かに見せることはできる。 さまざまな影響を与えてくれた、 多くの人へのリスペクトを描きつつ、 いずれ自分もその中の1人になろうという、 覚悟を感じるような作品だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.11.11 00:00:13
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