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今日も気ままに韓流DAY

今日も気ままに韓流DAY

出会いと別れ



出会いと別れ


 「会うは別れの始め」と中学入学時、初めてのHRで担任が言った言葉。
 何度も多くの卒業生を見送ってきた彼の感慨だと思います。
 生まれて初めて親の顔を見て、それ以来、多くの人と出会ってきました。
 そして、我両親を始め、死に別れ、生き別れ・・・
 様々な状況での別れがありました。



 人に出会えることは嬉しい反面、別れの辛さもあります。
 身近な人であればあるほど、その思い出は心の奥深く刻み込まれ、
別れの実感さえ湧かない時もあります。
 午後のふとした時間に、両親にお茶を入れてみたくなったり、
異国で別れた人とふと会話してみたくなったり、
その存在は消えることはありません。



 そして別れにはその別れ際の言葉というものが存在しています。



 母はある朝、いつもより早く起きて洗面所に向う私に
「もう大丈夫だね」とにこやかに語り掛けました。
 その日、大学から帰宅した私の前に母はもう何も語らぬ存在となり、
冷たい身体を病院のベットの上に横たえていました。
 父は入院中の病院で病室を後にしようとする私を見つめ、
 自慢の愛用の時計が肘近くまであがってしまう細々とした腕を
そっと上げて、さようならの仕草をしました。



 父の兄弟が多く、働き盛りに亡くなった方が多いので、
 子供の頃からお骨を拾ってきましたが、
皆それぞれに現世での別れの言葉を
 家族や私に残して去っていきました。



 「今度山に行くよ。登山が趣味なんだ。」
 久々に会った同級生はその言葉の数日後、まだ10代の若さでしたが、
 山で友人を助けるため自分が犠牲となって、帰らぬ人となりました。



 生き別れは、いつかまた会えるという可能性も含んでいます。
 でも状況やお互いの感情の縺れなどで生きている間に会うことも
 なくなってしまった、ということもあります。



 中学最初のHRで聞いた言葉「会うは別れの始め」が
 いつも心の隅にその言葉が存在しています。
 そして「一期一会」・・・素敵な言葉だと思います。
 だからこそ、現実の世界でもネットの世界でも縁あって
 知り合った人はとても大切に思うし、
 またいつどこで会えるかわからないのであれば、
 その時その瞬間を大切に触れていきたいと願ってやみません。



  -2002/4/14記-





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