信さん・炭坑町のセレナーデ1
口コミテーマ再設定中です。稼動していないテーマみたいだけど、わたくし、使わせていただきますいやー、今日は天気がいいけど風が強いな・・・さて、やっと見ました、池松壮亮の主な作品・映画編。これから公開の作品以外で、出番が多い作品はこれがラストかなあ・・・まだ数本見てませんけどね見たあと、アップしてない作品もあるので、追々書きますが。信さん・炭坑町のセレナーデ(2010年「信さん・炭坑町のセレナーデ」製作委員会)監督:平山秀幸脚本:鄭義信原作:辻内智貴あらすじ昭和38年。辻内美智代(小雪)は、離婚を機に東京から故郷である福岡の炭鉱町に小学生の息子・守(中村大地)と共に帰ってくる。そこは、炭鉱によって支えられ、男も女も子供たちも貧しくとも明るく肩を寄せ合って暮らす町であった。ある日、悪ガキたちに囲まれた守の前に、一人の少年が現れ、鮮やかに相手を打ち負かし守を救う。町では知らぬものはいない札付きの少年、信さんこと中岡信一(小林廉)だった。親を早くに亡くし、親戚に引き取られていた信さんは、いつも疎まれ厄介者のような扱いを受けていた。誰も自分のことなど分かってくれない、そう思ってきた信さんにとって、息子を守ってくれたこの事件を期にやさしく接してくれる美智代は特別な存在となっていく。それは、母親への愛のようであり、淡い恋心のようでもあった。だが、成長した信さん(石田卓也)や守(池松壮亮)、そしてこの炭鉱町にも、受け止め乗り越えなければならない厳しい現実が忍び寄ってくる……。というわけで、これまた池松壮亮にハマらなければ見なかったかもしれない・・・作品なんですね。昭和の戦後の30年代とか40年代舞台の映画は最近なにかと多くて、、、なんとなく感傷に浸るだけな感じもするしひとつヒットしたからって何本も何本も作らんでも・・・そんな気持ちもあって、映画の存在を知ってからも後手後手に回ってましてだが、満を持して?見てみたら、、、、結構面白かった・・・最初は、信一とは20も年の差のある美智代が 信さん信さんといってそれほどまでに気に留めるのか?信一は本当に美智代に恋心?それってアリなの??という気持ちもあったんだけど、、、、信一は、子供たちには兄貴分として頼られているけど、大人からは疎まれたり疑われたり、ほとんど味方がいない立場で、そこで初めてやさしく接してくれたのが美智代だった、ということで憧れとか母恋しさ?という感じで、その気持ちは成長して炭鉱で働くようになっても変わることなく秘めた想い人として信一の心の中を占めていました。大切にしている妹の美代(金澤美穂)の学費を稼ぐために必死で働き、無事に高校合格を果たしたあと、辻内家を訪ねた信一は東京で働くときのため自分にジャケットを縫ってくれた美智代を初めて抱きしめた・・・のがこのシーン。でも、やっぱり最後までこれってアリなのかなあ・・・と思わないでもなかった。美代がよく思わないのも無理はないのかも。やはり、ずっとこの炭住で暮らしてきた地元の人たちにとって、地元を出て東京で結婚し、離婚して出戻ってきた少し垢抜けた美人の未亡人、ってのは、特に女性からするとね、疎まれるというか妬まれるというかね・・・美代も兄想いだし、大事なお兄ちゃんにさわらないでっって気持ちはわかる気がする。一方、兄貴分と慕い、子供時代を一緒に過ごしてきた信一が自分の母親のことが好きで、母親も信一のことが好きで、というのを早い段階で感じ取っていた守、ってのも難しい役どころ。だって、複雑だよね心情としてはさ・・・それでも、信さんの味方になって、なんで本当の気持ちを言わないのか、とむきになる守は、物語の中では一人子供扱いなのでした。やはり地方舞台の話は地方ロケが説得力があるし、出演者も地元の一般のエキストラさんが大量に出演されていて平山監督はもちろん、役者さんも実は、池松壮亮くんの他にも光石研さんや中尾ミエさんが福岡出身だったりして、かなり地元感にこだわってるのがわかります。ロケ地自体も、数年前まで実際に人が住んでいた炭住を使ったりかなりリアルに再現されています。セットでは、あの光の加減とか風や空気を感じるような風景にはならないもんね。九州出身以外の役者さんたちも、当然みんな方言で喋るんだけど、ネイティブスピーカーの池松くんは、なんか生き生きしていたなあ・・・大人ぶって知ったかぶりなことを言うけど、周りの誰よりも一番子ども、って感じで・・・青臭い雰囲気がとってもよく出ていた。訛ってはいるけど明確な方言があまり無い私にとって、本当に羨ましい限りです。大学時代に博多出身の男友達が複数名いて、彼ら同士で話すと普段とは違った地元の空気みたいなのがあってそんなことを思い出しました。なんていうのかなー、泣かせよう、浸らせよう、というような感じはなくて静かに淡々としているんだけど、なんとも言えず切ないというか?印象的なシーンもすごく多いです。それも良かったかも。キャスティングもかなりハマっていたと思うんだけど、特に守・ヨンナムの子役がめちゃ似てるというか、、、子供時代(肥田大輝)の風貌というか なんというか、そのまま大きくなったヨンナム(柄本時生)っぽくて、驚いた。守(中村大地)も、いかにも東京から来ました、って感じの、あおっちょろくて妙に小奇麗で・・・ヨンナムは在日ということで、他の子供たちからいじめの対象になっていてでも守はそれがピンとこないらしく、大きくなってもとても仲がいい。この守とヨンナムの関係性も、ものすごく印象的でいいシーンが多い。池松くん見たさなので、前半の子供時代は飛ばし飛ばしで見ようかな、なんて思ったけど、守の回想というスタイルなので、ところどころ守のナレーションが入るし、なんせ子供たちが生き生きして可愛かった・・・私の生まれる少し前の時代の話ですが、私も生まれた街、その次の街は炭鉱があり、炭住も知ってるしボタ山も知ってるし、ボタで大怪我したこともある・・・なんとなく懐かしくも寂しい気持ちになる風景がたくさんありました。フラガールでもそうだけど、炭鉱は先細りで、山がダメになると街ごと寂れて無くなっていく、そういうことが多いし、イメージもそうです。実際、この物語でも、恐れていた大きな事故があり、信さんはじめたくさんの人が帰らぬ人となり、そしてその家族は炭住を離れ町を離れ・・・という結末ですからね。子供時代の回想を締めくくる、 この雪の中、新聞配達する信さんと、信さん・・・信さんの少年時代は、ほかん誰よりも短かっとったいね・・・(博多弁を文字にするのは難しい・・・)という守のナレーションと走り去る信一の後姿がものすごく切なくて、この時点で目の奥が熱くなってしまったわたくしでしたエンディングの中孝介の「愛しき人へ」も、すごくいいんですよね~、歌も声も。最近、映画の主題歌ってエンドロール部分でしか聞けないけど、、、アレンジして劇中でもうまくつかってくれれば、とってつけた感が減っていいのになあ。エンディングの中孝介の「愛しき人へ」も、すごくいいんですよね~、歌も声も。最近、映画の主題歌ってエンドロール部分でしか聞けないけど、、、アレンジして劇中でもうまくつかってくれれば、とってつけた感が減っていいのになあ。 てことで、守シーンはまとめて後半で書きます