美作的日々

2019/09/08(日)18:02

そして台風家族

中村倫也(1183)

​​​​​​台風接近してますが、、、 金曜日の公開初日、 会社帰りにレイトショーで速攻見てきました。 3週間限定公開、早めに見ておかないと日程取れないかも、、、と思って。 台風家族      (2019年「台風家族」フィルムパートナーズ) 監督:市井昌秀 脚本:市井昌秀 ​あらすじ​     ​銀行強盗事件を起こし2,000万円を奪った鈴木一鉄(藤竜也)と​ ​妻・光子(榊原るみ)が失踪する。​ 10年後、いまだに行方知れずの両親の仮想葬儀をして財産分与を行うため、 ​​妻子を連れた長男の小鉄(草なぎ剛)、長女の麗奈(MEGUMI)、​​ ​​次男の京介(新井浩文)が実家に集まるが、末っ子の千尋(中村倫也)は現れない。​​ 空の棺おけを2つ並べた見せかけだけの葬儀を始める。 葬儀が終わった頃にインターホンが鳴り、間に合わなかった末っ子の千尋が ようやく到着したかに思われたが、ドアの外に立っていたのは千尋ではない、 チャラチャラした男だった。 特殊な形で世に出た本作。 パンフレットは、そんなスタッフ側の苦労や迷いも少し含んでいて カッコつけることなく伝えたい製作過程がたくさんある、 という注意書きと共に、製作プロデューサーさんのプロダクションノートがあり なかなか興味深いです。 監督が奥様との共著という形で、先に小説で発売されている原作? そちらも、公開決定前から公開を望むファンのツイなどで 面白いと結構目にしていました。 とにかく、    長男の草彅剛のクズっぷり、アホっぷりがスゴイ。 しかも怒りっぽくて行動が短絡的なのも、面倒なオトコ。 はい、はい、って世話をやく奥さん(尾野真千子)がいて 娘までいるのが不思議なくらい、行動が場当たり的な小鉄は 私は苦手なタイプだから、全然共感できなかった前半。 唯一まともそうな次男京介とも全然タイプが違って仲悪いし、 あとからやってきた超絶チャラ男(若葉竜也)は麗奈の年下の、 ヒモみたいな彼氏。挙句、店先でエッチ始めちゃって、 なんじゃこの、クズ兄弟は??? なんて展開だったのだが、、、 遅れてやってきた千尋、    実は家族会議の様子を盗撮、 しかもそれをネットで生配信していて、 俺はユーチューバーになるんだぁ~っ ・・・って、ルフィ? 夜会で倫也くんが物まねしてた オレはなるっ! ってフレーズ浮かんで笑ってしまった。 もう、甘ちゃん末っ子感満載で、配役も上手いが これ以上ない末っ子っぷりに、演技の上手さ改めて実感。 ハタチとは言わないまでも、フリーターしかしてない、 世の中甘く見てる感。 前半の、兄弟みんなのクズっぷりに反して、 案外まともだったのは麗奈のチャラ彼登志雄。 麗奈がこなくていい、と言ったのに、香典もってやってくるのが、 なんとなく律儀で憎めないし、言うこと時々まともだったりもする。 それと終盤に現れる謎の女、月子(長内映里香)。 登場人物が、いちいちエッジ効いてて少ない人間しか出ないけど どんどん台風が接近するみたいに荒れ模様が続く感じ。 千尋が現れてから、 やっとその不思議な葬儀のからくりがわかる。 千尋が葬儀を段取り、クズ家族の話し合いを盗撮ネット配信、その理由は、、、 両親が犯罪者、逃亡で、当時マスコミに追われた兄、姉たちは有名になった、 キャッチ―だった、でも小さかった俺はそんな恩恵(?)受けなかった・・・ はぁ??? 口をとがらせて話す千尋も、 なかなかのアホっぷり。 可愛いんだけどさ。 でも、それでもいがみ合う兄弟たちに、 泣きながら、4人もコドモ育てるのって大変だよ、と 兄弟たちに訴える千尋にもぐっとくる。 何度か中村倫也の泣きの演技をいろんな作品で見てきたが、 本当にキレイに泣く人だよね。 訴えかけるというか。 登志雄がみつけた、古びた料理本、日常の言葉が書かれた張り紙から どうやら母親光子が認知症を発症していたのでは、と気づく。 最後まで実家にいた千尋は、そんな母の症状に気づく前に 自立しろ、と金もわたされ、家を出された、と。 登志雄が、自分の祖母が認知症になったとき、祖父はずっと隠していた、 という話もあり、後半一気に切なくなってしまった。 クズだと思っていた父親は、それまでしなかった料理をして光子にたべさせ、 身の回りの世話をし、そして強盗して自宅の商売道具霊きゅう車で逃亡、 その先は、かつて家族で行ったキャンプをした河原・・・ そこで亡くなってしまった光子をおぶり、足を滑らせて自分も死んでしまう。 みんなで探しに行ったその河原に、 白骨化した二人の痕跡があったのは、ちょっとえ・・・?な展開だが。 だって、肉体は白骨化してるのに、服綺麗だったからな。 みつけて初めて、川に流れていく、のも、え・・・? 台風だから川が荒れて流された体だが・・・ でもいいのだ、細かいことは。 ただ、葬儀屋を継ぐのが嫌で    役者目指して家を出る、という小鉄と仲たがいしたままだったが ふとしたことでスイッチが入ったVHSデッキから流れた録画は 小鉄が出演した作品の、小鉄のシーンばかりで、、、 ものすごく切なかったな。 親ってそういうモノだろうけど、なかなか子供に伝わらないし 伝えようともしないのかもしれない。 冒頭から、ずっと父親のおかしな兄弟のやり取りを 冷ややかな目で見ていた娘のユズキ(甲田まひる)、 彼女が最後の最後に、笑った、あそこにいろんなことが集約されていた。   いろいろ抱えてて、いつまでも熱くて、 ずるいけど悩んでて、、、そんな小鉄を草彅剛が暑苦しく好演。 彼のセリフ回しって、時々棒読みみたいに聞こえちゃうんだが とにかく兄弟も他の人物もさすがの上手さというか、、、 問題起こしてこの場に出てきてないけど、やっぱ新井浩文は上手いと思う。 仕事では兄弟の中では成功してるし、それによって小鉄をちょっと バカにしてる感じ、絶妙な仲の悪さ、鈴木家の次男は やっぱ彼だったよなあ。 暑い夏に撮影した、暑い物語、あの熱量は 関わったすべての役者とスタッフにしか持てない共感、 だったんだろう、と思う。 でも、このことで円盤化されないんだろうな、と思うと とてももったいない気もする。 WOWOWその他テレビでのOAとか、ネット配信とかもムリなのかな。 実は寝不足と、途中のちょっとわかりにくかった演出で 一瞬記憶を失っててさ 千尋のシーンは逃さず見たけど、もう一回見ようかな・・・・ 円盤化、してほしい~​​​​​​ ​ 台風家族[本/雑誌] / 市井点線/著​

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