米山信仰米山信仰 ▼(1) 払川のドス岩(田屋) 米山の頂上には、薬師如来を祀るお堂があり、信仰する人が多く、近郷はもとより遠い地方からも大勢の参詣者がいた。 いくつかの登山口があるが、中でも野田から登る人は多かった。 登り口に流れる川を払川といい、ここで身を浄め、頂上を目指した。 途中に十二神将の祀られた薬師堂があり、昔はお山は女人禁制なので、女の人はここで遥かに拝んで下ったのだそうだ。 又、この川でドス(らい病、今のハンセン氏病)の女の人が身を洗い、川の縁の大きな岩の上で、米山薬師を遥拝して治ったというので、この岩は「ドス岩」と呼ばれるようになったそうだ。川の中の六方石を見つけると病気が治ると言い伝えられている。 (2) ぶどう窪の黄金のひしゃく 野田から米山へ登ると、頂上近くに「ぶとう窪」という窪地があって、そこにはいつも清水がこんこんと湧いていた。 登山者は、この清水でのどをうるおして元気をとりもどして頂上に向かった。 ふもとの村に足の悪い老人がいた。 薬師様にお願いして治してもらおうと、米山に登って来たが、ぶどう窪に着いたら、足が鉛のように重くなってもう一歩も前に出すことができなくなった。 ふと見ると、清水のそばにキラキラ光る黄金のひしゃくが置いてあった。驚きと好奇心で、その黄金のひしゃくで清水をすくって飲んだ。すると、たちまちすがすがしい気分になり、足も軽くなって一気に頂上に登り切ることができた。 薬師様をお参りし、帰りにぶどう窪に立寄ってみると、黄金のひしゃくはどこにも見当たらなかったということだ。 ジャンル別一覧
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