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祖父母の家の向こう3・4軒隣りに祖母のお友達の家がありました。 引き戸を開けると、ドアベルがチリンチリンと鳴るので、幼児だった私はチリンチリンのおばちゃん家と呼んでいました。 お庭にざくろの木がありました。 私は時々、一人でチリンチリンのおばちゃんの家に遊びに行きました。 「おばちゃん、ざくろ頂戴。」 そうすると物干し竿の先でざくろを取ってくれます。 幼児の私にはあの小さな粒が丁度良く食べやすく、縁側で食べるざくろはとても美味しかったです。 ざくろの粒をいくつかまとめて口の中に入れ、種をペッと吐き出して面白がったりもしました。 おばちゃんが果物を切りながら食べさせてくれた時、小さな穴が空いていて、ドンドコドンドコ切っていったら、小さな虫がもぐらのように穴を掘っていたのでした。 その虫と虫の通り道を取り除いて、食べました。 チリンチリンのおばちゃんは、祖母のお友達だけれど、私のお友達でした。 チリンチリンのおばちゃんが亡くなった後、また、遊びに行きました。 おばちゃんの旦那様が出て来て、「おばちゃんは?」と聞いたけど、返事は返ってきませんでした。 幼児の私には死というものがなんなのか、わからなかったのです。 ただ、チリンチリンのおばちゃんがいなくなってしまったことだけは感じていたけれど、いつ帰ってくるんだろう?と思っていました。 ざくろを見ると、チリンチリンのおばちゃんを思い出します。
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最終更新日
2011年11月22日 16時09分44秒
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