113544 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

FFいれぶんのへたれな小説とか

FFいれぶんのへたれな小説とか

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
March 1, 2005
XML
 噴き上げられた水しぶきが、陽光を反射して光り、水面に幾重もの紋様を描く。
 獅子の広場。ベンチに寝そべりながら、ナギサは手の平越しに青い空を眺めていた。
 両手に残る、リアルな感触。短剣はDSを貫き、その存在を無へと返した。本来あるべき姿へと。
 頭をよぎる、自問自答。何度も繰り返した。あれでよかったのだと。
 死者は土へと還る。報われなかった想いも、歩んできた道も、全てを抱えて。歪んだ存在は悲しいだけだ。だから、自分の行動は間違っていない。
 だが、頭では分かっていても、体のどこかで納得できない自分がいた。
(何故、あの時短剣を止めようと思ったのか……)
 気に食わない。衝動的にそう思った自分も、死んでまで誰かのために苦しんでいた死者も、生きているのにただ死を待つだけの老婦も。
 それは矛盾だ。だが、感情は矛盾がなければ存在しない。
 生きているのに過去を忘れようとした老婦。死んでいるのに過去に縛られた亡者。そして、そのどちらにも苛立ちを感じている自分。
「ああ、もうっ!」
 大きくかぶりを振り、立ち上がる。こんな所でうじうじしていても始まらない。そもそも、そんな連鎖から抜け出すために受けたクエストではなかったか。
 ユウイチは、仕事があるからとジュノへ戻っていった。こちらもさっさと依頼を済ませて追いかければ、手助けくらいできるかもしれない。
 そう決めると、ナギサは歩き出した。驚く老婦の顔が、少し楽しみだ。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  March 1, 2005 01:11:14 PM
コメント(0) | コメントを書く
[薄れゆく風の香りと] カテゴリの最新記事


PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

穴太郎

穴太郎

Favorite Blog

ケンシロウとして生… New! Tarotaroさん

tokoの独り言w fftokoさん
RONLINE GAMES ronzoさん

Comments

乗らない騎手@ ちょっとは木馬隠せw あのー、三 角 木 馬が家にあるってどん…
お猿@ やっちまったなぁ! <small> <a href="http://feti.findeath…
もじゃもじゃ君@ 短小ち○こに興奮しすぎ(ワラ 優子ちゃんたら急に人気無い所で車を停め…

Freepage List


© Rakuten Group, Inc.