米ノースカロライナ州立大学の研究者らは、このほど今までにないコンピュータ・メモリ素子を開発した。それは、ゼリーのように柔らかく湿気に強いそうだ。
現在のメモリーは衝撃に弱いうえに、湿気や水分を嫌う。当然ながら、パソコンを落としたり濡らしたりすれば、壊れるだけでなく、メモリー内部も損傷を受けデータは消失してしまう。このメモリ素子が実用化した暁には、これら主な故障原因の影響を受けにくくなるようだ。
開発を進めているのはマイケル・ディッキー博士のチームだ。最近発表したところによると、彼らはまるでゼリーのようなメモリ素子を開発し、デバイスとして利用できる道を模索しているという。
博士によれば、これは「人間の脳と同じように、濡れた状態でよく機能する」とのことだ。厳密には、伝導性のジェル(ゲル)、インジウム・ガリウム合金の液体金属で構成されている。
しかしながら、まだ実用化には程遠く、現在のところ多くのデータを集積するレベルには至っていないようだ。今後開発が進めば、濡れても故障しないコンピュータが登場するかもしれない。また、今までの常識を覆すような形状のメモリデバイスも登場することになるだろう。さらなる研究発表に期待したいところだ。