「ヒトラーの贋札」 を観た
大雪の降った水曜日から、なんとなーーーく喉が乾いた感じがしていた。そして木曜日は何となく咳が出る。金曜日はタンがからむ、嫌な咳が出た。そして今日土曜日、完全に風邪をひいた症状がバッチリと出ている。いっや~~~、だるい。時々頭がのぼせる感じもする。こんな時は薬を飲んで、午後はゆっくり映画でも観るとするか。そう思って平日録画しておいた映画の中から、これを選んだ。Il falsario- Operazione Bernhard (イタリア語タイトル)邦題は 「ヒトラーの贋札」 あとで知ったのだが、これは2007年のドイツ、オーストリアの共同作品で第80回アカデミー賞の外国語映画賞を受賞したそうだ。簡単なあらすじ:ウィキから抜粋第二次世界大戦のさなか、ドイツ政府がイギリスの経済撹乱を狙い画策した史上最大の紙幣贋造事件「ベルンハルト作戦」に関わった、ユダヤ人印刷工アドルフ・ブルガーの証言に基づいて制作された映画である。 「ベルンハルト作戦」はハインリヒ・ヒムラー率いる親衛隊によって画策され、ベルンハルト・クリューガー少佐(劇中ではヘルツォーク少佐)によってザクセンハウゼン強制収容所で実行に移された。実際に贋造されたポンド札は1億3,200万ポンドにのぼるといわれる。以上このあらすじだと、あまりにも大雑把過ぎるので、もう少し。1936年当時、ベルリンで贋札を印刷して金儲けをしていたユダヤ人(ソロヴィッチ)が取り締まりに合い、収容所に送られる。そこで5年過ごした後、ある日他の収容所に送られる。この収容所では、贋札を作成する作戦が極秘で行われていた。贋札を作成するのを手伝うか、それともSSを手助けするのを拒んで殺されるか・・・・そんな選択に追われ、ユダヤ人たちの間でも意見の食い違いがありながらもイギリス紙幣を大量に印刷し、そして今度はドル紙幣を印刷することになる。観ていてハラハラする映画である。ホロコースト関係の映画はもう20作品以上観ていると思うが残酷なシーンはとても正視できない。戦後証言をした印刷工(ブルガー)は、映画の中でただ1人、ドル紙幣を印刷するのを拒み、他のユダヤ人囚人から何度も脅され、説得され、懇願された。それでもSSの手助けをするのを拒む。期限までにドル紙幣を作成しないと、囚人仲間が処刑されると脅されてもガンとして拒む。贋札作成のプロ、ソロヴィッチは生きるためなら何でもするが、何故か拒み続けるブルガーを告げ口することはしない。映画を観ながら、私ならどうするだろうか・・・・と考える。いくらSSに関わりたくないと思っても、同僚や自分自身が殺されるとなると私ならそれを理由に贋札を刷るだろうなぁ・・・・・そして仲間にこうして拒む人間がいると、倫理はわかっても「こんな修羅場でそんなモラルなんかどうでもいいじゃん!!」って言ってるだろうなぁ・・・・・ハリウッドが作成した、ホロコースト関係の映画にも確かに見ごたえのある作品がある。しかし、やっぱりナチス本家のドイツ、オーストリア共同作品となるとハリウッド特有の感傷的なメロドラマや、スペタキュラーなシーンなんかはほとんどない。それでいてリアルで、見ごたえがあって、後々まで余韻が残る。明日27日は国際ホロコースト記念日である。イタリアではShoah(ショアの日)と呼ばれている。記念日を前に、久々に心に残る映画を観れたのがうれしい。