レジャーサービス研究所(東京&上海)

2013/08/24(土)19:05

「ロリカワ観光ツーリズム」にみる観光政策の課題

インバウンド対策(307)

つい先日、困ったことがありました。 すでに決まっていたある中国企業の幹部の訪日研修旅行の内容を 急遽変更したいと申し出がありました。 東京と北海道(札幌、小樽)を巡るツアーだったのが、 「北海道をパスして、代わりに九州にしたい」とオーダーがありました。 突然の変更に戸惑いつつ理由を尋ねると 「札幌、小樽のイメージが変わった」とのこと。 「東京の原宿と似てる」などと言う始末です。 どういうことなのか?詳しく聞いてわかったのが、 6月に発表になった札幌と小樽の新たな観光プロジェクトの 「ロリカワ観光ツーリズム」というのもので、 何でも現地の建造物の雰囲気とゴスロリファッションなどが噛み合うとのことで企画された様子。 来年には500-1000人の訪問客を目指すと。 様々な議論からこうした企画が生まれたのでしょうが、 こういう観光の企画の難しさは、 単に「集客を目指す!」とは言うものの、 現実には、それが原因で「減少する」こともある、ということです。 今回の一件はまさにそれです。 ロリカワに興味がない客がキャンセルしてきたという事実。 今までの客に加えてロリカワで集客アップ! という目論見だったとすれば、このようにハズレる場合もあるわけです。 ここが観光政策の難しいところ。 一石二鳥を狙いたい気持ちはわかるけど、 現実には「離脱」していくファンもいるということを再確認しました。 ロリカワで新たな新規客がどのくらい増えて、 逆にそれが原因で離れていく客、あるいは候補地として選ばれない…で減少する分と、 どちらが多いのか? 「何でもやってみなければわからない」のは確か。 大事なのは効果測定をしっかりやって 「成功だったのか?失敗だったのか?」を確認しながら進めることだと思います。 決して「これは当たるはず!」と思い入れ過ぎないで 途中で何度も修整を加えられるようにする、と。 そうしないと予算の垂れ流しになるのでご注意を! (これは全国で言えることです) ★レジャーサービス研究所のホームページ★ 中国人観光客にもっと売る新“おもてなし術”価格:1,470円(税込、送料別)

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