2015/03/28(土)01:09
中国企業の研修で本音を言って「シーン」となったお話し
中国で良く言われることに
「日本人は本音を言わない」
「裏でグチグチ言う」
「中国人はもっと本音で正直にぶつかるよ」
…と何度も聞きました。
なので私も現地にいる時には、中国モードでお付き合いします。
ただし、胸を開いて「本音&正直」は鵜呑みにしてはいけません。
やはりそれだけではバトルになります。
そこに少々補足が必要です。
以前、中国企業の管理職の方々の研修の質問コーナーで、
「日本人から見て、中国人経営者で凄い人は誰?」
「やっぱりジャック・マーですか?
あれほどの成功者は日本にもいないでしょう?」
と聞かれたので、
「あの人は大したことないと思う」
と正直に答えました。
すると、会場は一瞬シーンとなって、
「あんた何言ってんだぁ!?
彼の凄さがわかってるのか?
Facebookを超えるほどの株価だぞ?
日本やアジアにそんな経営者いないだろう?」
と、怒涛の反論を浴びました(笑)。
「正直に言っただけです。
それなりには凄い人かもしれないけど…」と私。
「何がそれなりだぁ!?」
「皆さん、本音が聞きたいんでしょう?
それで本音を正直に話したら怒るだけ?
中国人は、良く日本人は本音を隠す、正直になれと言う。
それで正直に話せば、、、これですか?
呆れますね。
違う考えがあっても問題ないでしょう?別に。
お互いに当事者ではないんだから」
すると一人が、
「では、理由を聞こう」
(一同うなずく)
そこで、以下のような話をしました。
「昨日、上海に到着してホテルにチェックインしました。
ところが、またまたGmailが受信できませんでした。
それで仲間にLINEを使って知らせようとしたら、、、これもダメ。
もちろんFacebookも。
(たまに繋がる時もあるが)
毎度こんなことが起きます。
中国は外資のこうしたITツールをことごとくブロックしています。
それで私たち外国人までが、
中国のWechatとかQQを使うしかないわけです。
別にWechatを好きで使っているわけじゃないです。
LINEが使えないから仕方なく、、、使ってます。
(まぁ似たようなものですが)
しかし、日本にいる時にもWechatもQQも使えます。
この意味がわかりますが?
ブロックしてないからです。
つまり、中国のWechatやQQは日本でもアメリカでもブロックされない。
だけど、GmailもLINEもFacebookも、、、中国でブロックされてしまう。
(その他、使えないサービスは多数)
これなら中国企業が圧倒的に有利に決まってるでしょう。
もし、中国がブロックなしの市場で、
ジャック・マー率いるアリババが外資とガチの勝負をして
現在のような業績なら、本当に賞賛するけど、
現実はFacebookなど他社と比較できるものではないと思います。
アメリカでの上場の時、
ジャック・マー氏は、15年前はアメリカを回っても
出資してもらうことができなかったけど、
今は立場が逆転した…と勝者のような話しっぷりだったけど、
私はブロックしないで市場を開放して、成功したら上場もさせてくれる
アメリが凄いなと思いました。
繰り返しますが、逆はないわけです。
Googleが中国市場で使えますか?上場できますか?
だからまだ彼らアリババ比較しても意味がないと考えます」
…と話しました。
またまた会場がシーンとなりました。
「別にジャック・マーの責任でもないし、
彼は自身の環境下で凄い業績を収めたことは間違いないでしょう。
ただ、もっと本音を言えば、
私はこういう議論は嫌いです。
こういう質問の場合、話の流れでたいていは、
日本のソフトバンクの孫社長とジャック・マーはどっちが凄い?
みたいな質問が来るんです。
そして段々と日本vs中国の議論になっていきますね。
はっきり言って、本当にどっちが凄いのか?
なんて全然わかりません。
一度も会ったことないし、もちろん接点もない。
私にとってはどうでもいい話です。
世の中を便利にしてくれるなら皆頑張れ!です。
それよりは、せっかくこうして集まっているんだから、
ここにいる人たちの話しを聞きたいものです。
そのために日本から来たんですから」
その後は、、、拍手でした(笑)。
ということで、教訓は、
相手の質問に対して本音&正直に話すだけでは不十分です。
なんだかんだ言っても、その後のフォロートークが必要です。
ご注意を!
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