ウエスト・サイド・ストーリー来日公演
ミュージカルの金字塔とも言うべきウエスト・サイド・ストーリーの来日公演に出かけてまいりました。今年は、このウエスト・サイド・ストーリーの他に、年末にはRENT公演も予定されているそうで(一応出かけるつもり...)、来日公演ラッシュにお財布がどんどん軽くなりそうです。ウエスト・サイド・ストーリーについては、映画から先に入っている人も多いのではないでしょうか。私ももちろん例外ではなく、ジョージ・チャキリスとリタ・モレノの印象が強かったりするわけで、漠然と彼らのダンスシーンの印象を抱いたまま観劇に臨みました。今回、ベルナルド役がアンダースタディを務めるトニー・ゲレロだったそうですが、このトニー・ゲレロなる人は(バリー・マニローの「コパカバーナ」への出演経験もあるのだそうですが)、それこそ、体つきがジョージ・チャキリスとは全く異なる恰幅のいい人で、これはこれで味わいのある演技だったように思います。生の舞台特有の小さなハプニングは幾つかありましたが(なぜか見逃さなかった私...)、可憐な声質を十二分に活かしたマリア役のダイアン・フェランの抜群の歌唱力と、圧倒的な存在感で見せるアニタ役のヴィクトリア・ハミルトン・バリットの演技に、目も耳も舞台に釘付けでした。「目も耳も舞台に釘付け」といえば、やはり故ジェローム・ロビンス&故レナード・バーンスタインの振付&音楽の力は無視できません。この作品が、古くてなお新鮮な輝きをはなっているのは、他の誰も真似できない彼らの創作能力によるところがやはり大きい、そんな思いを新たにした来日公演でした。