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toms2121@ Re:一年間ありがとうございました。(12/30) greenglass1956さん    いつも読んで…
bouz3907@ ご苦労様でした 師匠のおかげで夫婦で楽しみながら投資を…
greenglass1956@ 一年間ありがとうございました。 いつも石川さんのプログを楽しみに拝見さ…
toms2121@ Re:今年も1年ありがとうございました(12/29) ハヤザキさん  こちらこそ、ありがと…

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2018.10.11
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カテゴリ:カテゴリ未分類

 半導体用シリコンウェハの出荷面積伸び率は、2017年暦年10.0%増、2018年1-3月期は前年比7.9%増、前期比3.6%増でした。

 半導体デバイス市場を見ると、2018年1-3月期の世界半導体出荷金額は前年比20.3%増、メモリ(DRAM+NAND型フラッシュメモリ)販売金額は前年比47.2%増で、メモリ以外のロジック、ディスクリート他が9.6%増となっています。

 半導体デバイスの伸びに比べてシリコンウェハの伸び率が低くなっていますが、ロジック半導体は微細化と歩留まり改善によって、メモリは微細化、積層化(三次元化[3D化])と歩留まり改善によって1枚のウェハから取れる半導体チップの数量や記憶容量が多くなっていくためです。

 例えば、サムスン電子が14ナノから10ナノに移行したときには、ウェハ1枚当たりのチップ生産数量は約30%増えました。

 このように見ると、今のシリコンウェハの伸びはメモリ(DRAMとNAND)の伸びによるものということが分ります。ちなみに、これまでに起きた大きな半導体ブームのほとんどがメモリのブームです。

 今回も半導体デバイス、半導体製造装置だけでなく、シリコンウェハ、各種半導体材料の多くがメモリブームの恩恵で伸びています。ロジックは安定的に成長していますが、シリコンウェハに大きなインパクトを与えているのはメモリです。従って、シリコンウェハ業界を見る時には、メモリ需要やメモリ市況の動きに注意する必要があります。

 シリコンウェハの需給関係は2017年から逼迫した状況が続いています。


 シリコンウェハの価格は長らく低下してきましたが、2017年から上昇に転じました。

 SUMCOによれば、2017年10-12月期に300ミリウェハ(直径300ミリのウェハ。直径が大きくなるほど1枚のウェハから多くの半導体チップが取れるため生産性が上がる)について1年前の2016年10-12月期に比較して約20%の値上げが浸透した模様です。

 2018年に入ると、300ミリは2018年10-12月期に2017年10-12月期比約20%の値上げが、200ミリ以下についても約20%の値上げが実現できそうです(200ミリ以下については、2018年から値上げが始まった模様です)。

 また、今の需給関係が続く限り、300ミリ、200ミリ以下のほぼ全サイズについて、2019年10-12月期も約10%の値上げが実現出来ると思われます。

 2018年1-3月期の長期契約比率(長期契約期間は平均3年)は、300ミリでSUMCOが300ミリ70~80%、信越化学工業が90%以上です。SUMCOの場合、200ミリも60~70%が長期契約になっており、長期契約の比率が上がっています。

 両社とも2020年までの長期契約枠はほぼ埋まっており、現在は2021年以降の契約交渉に入っています。

 こののように、今のシリコンウェハの需給逼迫はメモリ(DRAM、NAND)の好調によります。従ってメモリの好調が続く限り、シリコンウェハの値上げは続くと思われます。また、半導体メーカーでの150ミリ→200ミリ→300ミリへの移行も緩やかに進む可能性があります。これは、SUMCO、信越化学工業とも、シリコンウェハの設備増強を300ミリについてのみ行っており(長期契約に対する逐次増産)、200ミリ以下への増産投資を行っていないためです。

 中国向けについては、両社とも少数の顧客(外資系半導体メーカーの中国工場)に対して販売している模様です。中国では民族系半導体メーカーの大型設備投資が始まっていますが、これらのメーカーに対して両社が本格出荷するのは2021年以降になると思われます。

 SUMCOの利益は伸びています。

https://www.sumcosi.com/ir/financial/highlight.html

 シリコンウェハの出荷数量増加と値上げによって、2017年12月期営業利益は前年比3.0倍の420億8500万円に、2018年12月期1Q(2018年1-3月期)は前年比2.4倍の195.90億円になりました。

 SUMCOの2Q(2018年1-6月期)営業利益は411.92億円(4-6月期単独216.02億円)(前年比2.4倍)になりました。

 2017年10-12月期の値上げが2018年12月期にフル寄与することと、数%の出荷数量増加を考慮すると、SUMCOの会社予測より増えると思われます。

 2018年3月期の第2四半期の決算短信

https://ssl4.eir-parts.net/doc/3436/tdnet/1620152/00.pdf

 それなのに、SUMCOの株価の急落が続いています。2018年初頭には3000円を超えていた株価が、10月11日にはついに1500円以下になりました。

 SUMCOは半導体の材料となるシリコンウエハを製造する会社です。このシリコンウエハを使って半導体が作られます。半導体はスマホやパソコン、デジタル家電や自動車、医療機器などあらゆるところに使われており、半導体需要は非常に伸びています。

 珪石を原料とした多結晶シリコンから単結晶インゴッドを生成し、これをスライスしてシリコンウエハを作るところまでがSUMCOの領域です。

 シリコンウエハがないと半導体は作れないので、シリコンウエハは半導体メーカーの事業の根幹を支える製品であり、半導体産業の中核といっても良いと思います。

 シリコンウエハは表面積が大きいほど効率的に半導体を製造することができるので、SUMCOは現在最大級の300mmのシリコンウエハの開発に成功、主力製品化しています。

 これをインテルやサムスンといった半導体メーカーに販売しています。SUMCOの売り上げの海外比率は約8割で、グローバルな企業です。また、世界の主要な半導体メーカーの全てと取引きがあります。

 SUMCOのシリコンウエハの世界シェアは30%弱と、業界第2位です。業界第1位は信越化学工業で、日本勢で世界の半導体需要の実に半分以上を担っています。

 ただトップの信越化学工業の半導体関連事業は売上全体の20%程度ということで、SUMCOは専業メーカーです。

 半導体はスマホやパソコンなどを中心に広く利用されていますが、今後は人口知能(AI)や次世代通信(5G)、IoT化の進展がますます進み、特にデータセンター向けのメモリ需要は逼迫していると言われています。自動車も半導体の塊になると言われています。

 世界半導体市場統計(WSTS)がの半導体市場の予測ででは、2017年、2018年と市場は二桁成長を遂げており、現在4千億ドル(40兆円強)を突破しています。2019年以降ペースは落ちますが市場は更に拡大する見込みです。

 半導体メーカーの競争は苛烈化するでしょうが、半導体の素材であるシリコンウエハの供給側からすると需要は減りません。その点ではUMCOは半導体市場の拡大の恩恵を今後も受け続ける可能性が高いです。つまり御す益は伸びていくと期待できます。

 中国勢はじめ、他社のシリコンウエハの製造技術が追いつかれシェアを奪われるという懸念はありますが、現状優位な立場にあるのは間違いありません。

 SUMCOのIR資料等によると、特に300mmシリコンウエハの需給は引き続き逼迫しているとのことです。

 これは作れば作るだけ売れるということであり、価格交渉でも優位に立てるため、利益率も引き続き良いということが予想されます。またこれは、企業の財務に負担となる棚残がほぼ発生しないことにも繋がります。

 では、なぜSUMCOの株価は下げつづけているのか。

 SUMCOは半導体関連銘柄の中でも超有望株に見えます。株価は需給で動きますから、なぜこれほど下げているのかの答えは投資家が売っているからに決まっています。ただ、なぜ投資家が売るのかを考えるのは意味があると思います。

<下落の理由と思われること>

その1:貿易戦争への懸念

 米中の貿易戦争は泥沼化するばかりで、相変わらずトランプは揺さぶりをかけています。半導体関連銘柄は最も景気敏感銘柄でもあるため、世界景気停滞となれば、最も売られる銘柄の1つが半導体関連銘柄です。特に日経225銘柄でもある同社の株価は先物売りの影響も受けます。

その2:半導体市場縮小の懸念

 私はこれが直接の原因はこれだと思っています。9月に入り、米国で半導体需要が減退するとの見方が出て、マイクロンやKLAといった米国株の半導体関連銘柄の株価が軒並み下がりました。これに呼応するかのようにSUMCOをはじめ半導体関連銘柄の株価は急落しました。

 半導体ブームは2016年の後半からはじまっており、ピークは過ぎたという見方も多いですが、私は一時的に成長は鈍化するにしても拡大はすると考えています。

その3:北海道地震によるSUMCO千歳工場の稼働停止

 9月6日の北海道地震で稼働停止しましたが、すでに稼働は再開されています。

 SUMCOの製造拠点は他に佐賀県の伊万里市、山形県の米沢市にありますが、売り上げや利益への影響は当然にあるでしょう。

その4:シリコンウエハメーカーの設備投資の過剰懸念

 SUMCOは過去大きな設備投資はしていませんでしたが、2017年に佐賀県の伊万里の工場に主力の300mmシリコンウエハ増産のための設備投資をしています。

 稼働は2019年ということです。これにより世界シェア1位を取れるか、そして設備投資に利益が追いついてくるかどうかには、注意しておく必要があります。

 また設備投資により他社(特に中国企業)を刺激する側面もあり、価格競争は激化していきますので、単価の下落があれば同社の収益に大きな影響を与えると思います。このことも投資家は非常に懸念しているのだと私には感じられます。

<半導体市場の動向とシリコンウエハの単価>

 半導体市場はWSTSのデータが示すとおり今後も拡大する見込みです。ただ、いつまで売り手市場が続くかは分かりません。

  しかし当面は好調が続くと思われます。株価が半分以下になる必然性は、全くないと考えています。そして一時的に半導体の需要の伸びが少し穏やかになっても、それほど待たなくても需要は猛烈に増えていくことが期待できると考えています。






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Last updated  2018.10.11 20:49:02



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