ゆりかもめと都鳥の謎
あるところで「ゆりかもめ」の話が出てたので思い出したのですが、ゆりかもめは、伊勢物語の第九段にでてくる「みやこどり」だと言われています。伊勢物語の中では、有原業平が関東へと下り、隅田川へと来たときに、京の都では目にしない鳥をみて「あの鳥はなんと言う鳥?」と、地元の渡し守に聞いたところ、あれは「みやこどり」だと言われ、都のことを思った歌を歌ったと言う下の一節が有名ですが、、、。昔、男ありけり。その男、身をえうなきものに思ひなして、京にはあらじ、あづまの方に住むべき国もとめにとてゆきけり。(中略)なほゆきゆきて、武蔵の国と下つ総の国との中に、いと大きなる河あり。それをすみだ河といふ。(中略)みな人ものわびしくて、京に思ふ人なきにしもあらず。さるをりしも、白き鳥の嘴と脚と赤き、しぎの大きさなる、水の上に遊びつつ魚を食ふ。京には見えぬ鳥なれば、みな人見知らず。渡しもりに問ひければ、「これなむ都鳥」と言ふを聞きて、 名にし負はばいざこと問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと とよめりければ、舟こぞりて泣きにけり。しかし、ゆりかもめは京都の鴨川でもよく見かけるので、不思議に思っていたのです。冬の京都の鴨川に行くと沢山飛んでいるんですよね。変だなーと気になっていたのを思い出したので調べてみると、平安時代の京都には、確かに都鳥、即ち、ゆりかもめは居なかったそうです。鴨川で見られるようになったのはなんと昭和49年からだそうですよ。謎が解けてすっきりしました。うんうん。