親子は、別の人格であり、他人です。
言葉にしてみれば「当たり前じゃないか」と感じるでしょう。
しかし、現実では小さいレベルから家族間・親子間で価値観や感覚の押し付けが横行しています。
少なくとも、私の家族の中では。
母が近所の高齢者からふきのとうとふきの花をいただき、
早速その日の晩御飯に料理して出してくれました。
ふきの花なんか、滅多に手に入らない貴重な「春の幸」です。
かと言っても、貴重な「季節の幸」だからって美味しいわけではなく。
私にとっては「春を告げる食べ物だけど苦くてまずい」という認識です。
そして母は
「春の味よ。お年寄りはみんなこれを美味しいと思うものよ。あなたも、美味しいでしょう?」と"同意"を求める声を2度も発したのです。
1度目は無視できたけど、
2度目は我慢できずに
「春の貴重な味だとはわかるけど、苦くて美味しくない」
と正直に言いました。
もちろん母は怒りました。
それでその日のうちはずっと口を聞いてくれませんでした。
「お年寄りはこういうのを美味しいと思うものよ」
って、また母は言ったけど、私はまだお年寄りの域に達してないし。
さらりと
「春の味、美味しいわ」
くらいに軽く言ってくれるだけなら良かったのに。
こういう日常の小さい出来事で語ると大したことなく感じますが、
一事が万事です、
人生観や将来イメージまで価値観を強要してきます。
母は自分の子との自他境界線が曖昧なのかもしれません。
私は自分をアダルトチャイルドだとは思っていませんが、
「アダルトチルドレン」「アダルトチャイルド」や発達心理学の本には自他の境界に関する説明がよく書かれています。 | |