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あたたかな光と相思相愛-永遠の旅へいざなう虹粒子の流れ

あたたかな光と相思相愛-永遠の旅へいざなう虹粒子の流れ

キレイごとだけで、本当は生きていける



良心という言葉があります。

勿論 誰だって知っていますね?

では、

その意味を理解している人って、どれだけいるのでしょう。

良心。

少なくとも僕には、実はまだ掴みきれていない言葉でもあります。



良心という言葉で僕が思い起こすのは、

よびりんさんの講演会CDを以前に聴いていて出会った或る一つの貴重な話です。

「観音様というのは、実は観音様を彫り上げた人の心の中に存在するのです。」

正確な記述ではないのですが確か、そのような内容の話だったと思います。

物事の本質を、本当に大事な心を見極める眼力を持ちましょう、ということを示唆する内容の話だったと記憶しています。

僕にとっての「良心」とは、

観音様の偶像を彫り上げた人の心に宿る、何か、のようなものであると感じます。



さて、話題は変わって・・・。







『 「キレイごとだけでは生きていけない」と言うが、キレイごとだけで生きていける 』


これは最近に書店で見かけた、或る一冊の本の中に綴られた言葉です。

その本の著者は桜井章一さん。

あのイチローが心の師匠と仰ぐ人物であり、非常に有名な人物なので桜井さんの名前を聞いたことがある方も少なくないはずです。



ざっと簡単に桜井さんの経歴を紹介します。

昭和30年代後半に麻雀の裏プロの世界で勝負師として瞬く間に頭角を現す。

以来、20年間「代打」として超絶的な強さを誇り、「雀鬼」の異名をとる。

その間、一度も負けなしの無敗伝説をつくった。

現役引退後、著者をモデルにした小説、劇画、映画などで、その名を広く知られるようになる。

著書に「運に選ばれる人、選ばれない人」(他多数)などがある。



大抵の人は、「人生キレイごとだけでは生きていけないんだぞ」と誰かに諭したり、自分自身に言い聞かせた経験があるかと思います。

何か「これは、汚いことだな」と感じる出来事に遭遇したり、仕事上で嫌なことがあったりして「キレイごとで仕事をしているわけじゃないんだから我慢しよう」という言葉を黙って腹の中に呑み込むことで心のバランスを計った経験って誰しもがあるはずです。

人生キレイごとだけでは生きていけない・・・

しかし果たして、それは本当でしょうか?。



僕自身は麻雀の世界には無知であり、裏プロという世界が存在することを桜井さんの本の中で初めて知ったという経緯が過去にあります。

裏プロというのは文字通り、裏の世界のようです・・・、って これでは何の説明にならないとは思いますが(笑)、

時に非常に危険な世界でもあるようです。

桜井さんが過去に、有名人同士の裏勝負の代打として抜擢された際、「勝った」ことによって敗者側の某芸能人が抱えていた闇世界の組織から殺されかけた経験もあるそうです。

マジ怖い世界ですね。

そんな裏世界の怖さ、汚い世界を長く見つめてきたはずの人物が、次のような言葉を吐く。


「キレイごとだけでは生きていけない」と言うが、キレイごとだけで生きていける



あなたは、どう感じますか?








さて今、僕の手元には 最近に心を強く打った一枚の写真があります。

作家の五木寛之さんの若かりし日の写真・・・最近に出版された雑誌に掲載されていた一枚の写真です。

作家としてデビューし脚光を浴びた後に、石川県の金沢に夫婦で引っ越してきた頃の記録。

五木寛之さんは作家として生計を立てる以前、奥さんと東京で安アパートに暮らしながら学生生活を送っていましたが、

肉体労働に明け暮れたり奥さんも共働きしても、大学の学費を払うことが出来なくなって早稲田大学を学籍抹消扱いになったりしているようです。

しかし、そんな貧乏暮らしの中であっても、五木寛之さんは当時を振り返り、とても幸福だったと言います。


『二人とも映画が好きだったので、安い深夜映画にをよく観にいったのですが、電車賃がないので、下駄をつっかけて1時間以上もかけて歩いていきました。そんな小さな楽しみが、私たちにはとても幸せでした』


その後に作家として生活も安定し、それから後々に世界からも高く評価される文豪となった五木寛之さんですが、現在でも、かつて奥さんと共に安アパートで貧乏暮らしをしていた頃と大して変わらないライフスタイルを送っています。


食べるものにさえ苦労しながらも、それでもつつまじく笑顔で暮らしていた頃から、50年の歳月が経過した後も、築30数年のマンションに暮らし、奥さんと歩いて映画館へ出かける。

夜遅くまで勝手に読書をし、好きな音楽を聴き、そして奥さんは絵を描く・・・・・まるで学生時代と変わらない生活。


『いつ、あの物のない時代に戻っても、我々は大丈夫だね』

五木さん夫婦は、よく二人でそんな話をするそうです。


五木寛之さん夫妻の若かりし季節

五木寛之さん夫妻の若かりし一枚の写真「文藝春秋」10月臨時増刊号より


この写真を見て、ハッとするほどに僕は心を打たれました。




過去日記『幸福感を基準にする』
http://plaza.rakuten.co.jp/lukanomatinami/diary/200606130000/の中で詳しく五木寛之さん夫妻の若き季節の事柄を紹介しています。

そちらも是非、お読み下さい。







もし仮に、

若い当時の五木寛之さん夫妻の心の中が「キレイごと」で溢れていなかったら、

現在の世界的に賞賛される作家としての立場はあったでしょうか?

僕は否、と思います。

五木寛之さんが大切に自分の心の中の「キレイごと」を信じ、それを奥さんが笑顔で支えていたからこそ、

その後の五木寛之さんの活躍があったのだと感じて疑わないからです。



「キレイごと」を蔑ろにする心は、

「キレイな心、キレイな世界」さえも生み出すことはありません。

キレイごとを馬鹿にしている人は、馬鹿にしている程度の人生しか歩むことはないでしょう。


そんな風に、僕自身 信じているからです。














再び、桜井章一さんの言葉を参照します。


「キレイごとだけでは生きていけない」と言うが、キレイごとだけで生きていける




この言葉を桜井さんは次のように説明しています。


汚いことに手を染めないで、自分が本当に正しいと思うことをやりとおす、という意味の「キレイごと」です。自分の良心に従った「キレイごと」ということです。
(中略)
「キレイごとではメシは食えない」
などといって、自分だけがうまくいくようにウソをついたり人を騙したりすることは、まさに邪心から発するものであり、それは弱さからくるものです。「キレイ」でないことを自分はしているな」と感じたら、反対に、誰か他人の邪心にやられたときの気分を想像してみればいいのです。心が強ければ、自分がどんなに不利なときでも汚いことをせずにすむのです。
いつでも自分の良心に従って、あくまでキレイごとで押しとおすべきなのです。





最強の言葉
『壁をブチ破る最強の言葉』著者:桜井章一  出版社:ゴマブックス









キレイごとを実践することって、

物凄い大変だと思います。

しかし、そこには人生を本当に輝かせるだけの大きな価値はあると思います。



人間は弱い。

それは僕自身がそうだから言うのですが(爆)

でも 人間は、

自分が信じる大切な「キレイごと」を貫くためなら、

強くもなれるのです。


















ルカの街並 2006.10.12の日記より




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