カテゴリ:宝塚
蘭乃はなさんの退団会見、ホームページにもニュースにもなりましたので、読みました。
それを読んでの感想を書きます。 辞めることはオーシャンズ11の頃に意識し始めて、愛と革命の詩の時に決意したが、 エリザベートをやってほしいと劇団から言われた。 悩んだ末に、シシィをやらなかったら一生後悔すると思い、エリザベートで退団すると決めた。 退団の経緯はこんな感じでしたね。 この内部事情とも言えることを正直に話したことは、立派だと思います。 変に隠すよりはいいです。 ただ、、、シシィをやらなかったら一生後悔すると思った、これは、 記者にどのように質問されたとしても、 言ってほしくなかった。 シシィをやりたい、と思っていた娘役さん、 今までたくさんいるでしょう。 シシィに相応しい実力の娘役さんもいました。 また、ミュージカル「エリザベート」に出たい、 どんな役でもいいからとにかく出たい、 そう思っていたタカラジェンヌさんも、数え切れないほどいたはずです。 でも、タイミングが合わず叶わなかった人ばかりではないでしょうか。 ファンにとっても特別な作品ですが、 タカラジェンヌさんにとっても本当に憧れの作品である事は間違いない。 それほど、「エリザベート」という作品は麻薬のような魅力を持っているのです。 それを、何の巡り合わせか、今回蘭乃はなシシィが誕生することになった。 お世辞でも「シシィが似合う、相応しい」だなんて言えない、 蘭乃はなというタカラジェンヌが演じることになったのです。 ラムは蘭ちゃんが全然嫌いではありません。 でも、素直に辛口なこと書かせて下さい、すみません。 今回、蘭ちゃんにアントワネット、シシィという大役が巡ってきたこと、 金だのコネだの聞こえてきますが、 ラムにとってはそれはどうだっていいことです。 むしろ、芸事の世界に金やコネが一切絡まない場所なんてあるんでしょうか? 金やコネがあろうが無かろうが、舞台で納得させてくれればそれでいいです。 その代表的な人が花總まりさんだと思っています。 花總さんは物凄いお金持ちの家出身だと思います。 何かお金が動いたことが、あったかもしれません。無かったかもしれませんが。 でも、花總さんの娘役をご覧になって頂ければ、 なるほどこの人ならば主演娘役に相応しい、 また、彼女を凌ぐほどの娘役はそうはいない。 そう納得して頂けるはずです。 では、蘭乃はなさんはどうでしょうか? 彼女のお家はお金持ちかもしれません。 でも可愛らしく可憐な容姿、素晴らしいダンス、 これらはお金持ちだから備わったものではありません。 でも、その要素はシシィを演じる事とは別の要素です。 シシィはただの可愛らしい可憐な少女ではないし、 シシィ役に必要な要素はダンスではなく、絶対的に歌唱です。 蘭ちゃんは歌がずいぶん良くなった、と時々聞きます。 良くなった、それはラムもそう思いますし、 トップ娘役という役割を背負っているならば上手くなっていかなければいけないでしょう。 でも、それはエリザベートというミュージカルで主要キャストを演じるにはあまりにも弱い。 トップ一年目よりも良くなった、それじゃダメなんです! 何故なら、宝塚を初めて観劇する方が同じように感じてはくれないからです。 この「エリザベート」は、新規ファン獲得には一番いい作品の一つだと思うんですよね。 チケットの売れ行きがどうなるかわかりませんが、宝塚を全く知らない人が見ても楽しんで頂ける作品ですから。 でも宝塚を知らない人の評価は、非常にシビアです。 知らないからこそ純粋に蘭乃シシィを観劇して、その歌唱に感動して頂けると思いますか…? また、蘭乃はなさんは、檀れいさんのような誰が見ても「キレイ」と思うような容姿ではないと思います。 2009年の凪七シシィは美貌で魅せる事ができた、でも蘭乃シシィはそうはいかないと思います。 これは好みの問題もありますので難しいですが。。。 見た目はまぁ置いておいて、大問題の歌唱をどうするか。 エリザベートをやってほしいと頼んだ劇団の方は、何がどうして頼んだのか、本当に知りたいところです。 例えば、ラムは早霧せいなさんが大好きですが、じゃあ早霧さんにトートを演じてほしいかと聞かれたら、 答えは否!はっきりと否です!!! 理由は簡単、蘭ちゃん同様、どうしても超えられない歌唱の壁があるからです。 蘭ちゃんは本当に努力するでしょう、でも努力した所で実咲凛音さんのように歌えるようにはなれません。 ダンスの才は持っていても、歌唱力の才を持っていないからです。 1996年の初演エリザベートを劇場で観劇された方の感想を聞いたことがあります。 要約しますと⬇︎の感じでした。 「あまりの衝撃、あまりの感動に心が震えた。一幕が終わった後しばらく席を立つことができないほど圧倒された」 ラムが初めてエリザベートを見た時にもこれに近い感覚でした。 ラムはビデオで見たので、ここまでのものはありませんでしたが、 だからこそ、これを劇場で観劇した人はどれほど感動しただろう。 観劇できた人が本当に羨ましい、と思ったのです。 ラムが見たのは宙組版でしたが、 雪組初演は歌唱力に加えて演技力が備わった、 本当に完成度の高い素晴らしい公演だったろうと思います。 思います、というのはですね、ラムはなぜか雪初演だけ見たことがないんです。。。 み、見たい…少しも早く…。← で!本来ならエリザベートを見ると上の感想が出てくるものなのです。 ミュージカルがどうしても苦手な方は仕方ないですが。。。 エリザベートという作品は、皇后エリザベートの生涯を死という抽象的なものと関連させて描いた、 素晴らしいミュージカルです。 「エリザベートって歌ってばっかで内容がスカスカじゃない。蘭ちゃんならキレイだし問題なくできるよ!」 と思われている方は、どうか、どうかもう一度エリザベートをご覧になって下さい。 始まった瞬間から観客を作品世界へ連れ去るプロローグに数々の印象的な音楽、 日本版に限って言えば、絶妙な訳詞。 エリザベートの人生のあらすじをなぞるだけではない、エリザベート本人の揺れる心情を描いているし、 主要キャストと絡んだお芝居、各キャストが心情を吐露するソロもある。 また、常にテンポ良く間延びする場面がない。 そして、全く知識のない人が見ても十分に楽しめること!これが最重要です。 世界的に有名なミュージカルはどれも全てそうではないですか? シカゴ、ミーアンドマイガール、雨に唄えば、オペラ座の怪人(ファントムではない)…。 宝塚のお芝居では、ある程度勉強しておいて、更に何度も見ないと作品が理解できないものが割とあります。 本当はそれではいけないと思うんです。 誰が見ても、内容を理解できて楽しめる作品、 それが「良い作品」ではないですか。 エリザベートは間違いなく「良い作品」です。 その作品の世界観を、蘭乃シシィが壊してしまうかもしれない… シシィのソロ「私だけに」で音程を外してしまったら、、、 と想像するだけで恐ろしいですよ! シシィ役に望海風斗、この選択肢は検討しなかったんでしょうかね。 それよりも、ルキーニを演じてほしいという意向のが強かったでしょうか。 ファン的にもちろん、だいもんさんのルキーニ役は最高の配役です。 新トップ娘役にいきなりシシィをやらせるよりは、経験のある蘭ちゃんの方が良いのでは? という判断でしょうか。。。 2009年のように無理矢理に他組から男役を連れてきて抜擢するのもありだと思いますが。 見た目が幼すぎるかもしれませんが、礼真琴さんとか。 そういうトンデモナイ配役が今まで何度もあったじゃないですか。 何故今回に限っていわゆる順当な配役なんでしょう。 まぁ、、、色々思ったところで何も変わらないんですけどね。 でも、娘役が演じるシシィにしか出せない何かがきっとあるはずです。 蘭ちゃんに、そういうものを見せてもらえれば嬉しい。 退団するからこそ、何かすごいものを見せてくれるかもしれないですから。 長くなりすみません。 エリザベート役をやれば、まさに悔いなく退団できるでしょう。 でも、本当に悔いなく終われるように、どうか少しでも進化してくれたらと願います。 エリザベートという作品のファンにも納得できるような、 そんなシシィになれば、と、祈るばかりです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年03月20日 23時09分35秒
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