ジニョンの母から、娘ジニョンへの手紙

ジニョン、昨日は電話をありがとう。
いくつになっても、娘からのお祝いの言葉はうれしいものね。
何よりも、あなたの明るい声が、私に安心を与えてくれました。
でも、あの時間、ニューヨークでは明け方の４時、本当はとても眠かったんでしょう？

今朝、あなたたち二人からのプレゼントが届きました。
きれいなベネチアンガラスの花瓶。お母さんにはもったいないくらいよ。
あなたたち家族の明るい笑い声が、ガラスのきらめきの中に
溶け込んでいるようです。本当にありがとう。大切にします。

それにね、１時間ほど前にはソウルホテルから、
カサブランカの大きな花束が届きました。添えられたカードには
「お誕生日、そしてご結婚記念日おめでとうございます。ソウルホテル従業員一同」
とありました。私の好きな花を知っている人、
誕生日と結婚記念日が同じだということを知っている人、
そう、テジュンさんしかいないわ。
優しい心遣いに目頭が熱くなりました。

さっそくプレゼントの花瓶にカサブランカを生けてみました。
とっても素敵よ!　カサブランカの香りの中で、
お父さんとの楽しい思い出をたどることもできました。
どうかドンヒョクに、お母さんの感謝の気持を伝えてくださいね。

今頃は、みんな深い眠りの中でしょうね。
引越しの疲れは後から一気に出てくるから、
ジニョン、体には充分気をつけてね。
シェーンには、必ず一日に一度、あなたの体温が伝わる時間だけ
抱きしめてあげなさい。忙しくても・・、必ずね。
そして男の子は母親の手料理で心も体も大きく育つもの。
お料理も、頑張ってね！

ドンヒョクには,感謝の気持を伝える努力を怠らないように。
二人でたくさんの思い出を作っていきなさい。
苦しいとき、つらいときの思い出は、二人の絆を
永遠のものとしてくれます。

そして私の大切な娘、ジニョン。
いつも笑顔を忘れずに、心を太陽にむけて歩いていきなさい。
お父さんとお母さんの娘だもの、少々のことには負けないわよね。
信じています。

今日これからお父さんのお墓参りに行ってきます。
お父さんにこの手紙を読んで聞かせてから、投函します。
お父さんもきっと喜んでくれるわ。
皆、元気で。いつもあなたたちの幸せを祈っています。

２００Ｘ・７・３１　　　　　　　　　　　母より