旧はぽん通信

　　　　

　　　　午後になると雲が切れて晴れてきた。

　　　　そして暖かくなってきた。

　　　　いい感じ。

　　　　サンチャゴの飛行場から飛行機の轟音が聞こえてきて、いよいよゴールも近いことを感じる。



　　　　MONTE DE GOZO（モンテ･デ･ゴソ＝歓喜の丘）は、サンチャゴの４km手前。

　　　　そこに入る前に気持ちをひきしめようと、無人のバス停に荷物を置いて

　　　　髪を梳かしたり、日焼けクリームを塗り直したりした。

　　　　服もきちんと整えて、荷物もバラバラだったので、少し整理整頓。

　　　　そうしたら黒い大型犬が、何処からともなく、足音もなく、私の真横にやってきて

　　　　私のバックパックや個々の荷物をクンクン嗅ぎだした。



　　　　うわ～、またですか。犬。



　　　　さあーっと血の気が引いていくのがわかったので、

　　　　心臓が早鐘のように打ち出したので、

　　　　荷物をこれでもかというぐらいのスピードでまとめて、そこから退散。

　　　　このような犬と私の不思議な関係は、これからも続くでせう。




　　　　　Monte de Gozo

　　　　おお！我々はついにここまでやって来たか。

　　　　あの行く手に見えるのは、目指すサンチャゴの大聖堂！



　　　　

　　　　Santiagoの街に入る。

　　　　２年半ぶりの街。

　　　　何も変わっていない。

　　　　変わったのは、私の周りの全ての環境と私自身。

　　　　遠くに大聖堂の尖塔が見えた時が、一番どきどきする。

　　　　前回も。今回も。夏だった時も。今の冬も。　



　　　　

　　　　やはり今日も40km歩いて、こんなに遅い時間に着いた。

　　　　病気・けがもなく無事に来れた。

　　　　あそこのアーケードをくぐれば、大聖堂前に出る。

　　　　あのアーケード下では、長い旅を終えて到着する巡礼者に向かって

　　　　センチメンタルな音楽を奏でている人がいる。

　　　　今日もその調べが聞こえる。　



　　　　涙がとまらなくなった。

　　　　嬉しいとか悲しいとかじゃなくて、COMPLETO！という達成感。

　　　　なのに何故涙が出るんだ？


　　　　
　　　　大好きなカミノの旅、二回目を辿って、ようやく満足。



　　　　

　　　　4-FEB-2011　Santiago de Compostela

　　　　私のスペイン巡礼　終着地