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2004年05月10日
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カテゴリ:音楽
 F.P.ツィンマーマン。もしかしたら過去にこの日記で採り上げたことがあるかもしれない、このドイツのヴァイオリニスト。若杉弘率いるケルン放送交響楽団の来日演奏会のソリストとして同行したのは、彼が18歳くらいのころだったか(ちなみに、このときケルンのオーボエ首席は、あの宮本さんだった)。今39歳というから、すでに20年がすぎている。
 私はこの演奏会を聴きにいき、すぐさまファンになった。まだ子どもだから理由はよくわからなかったが、何故かとても気に入った。大学生になり上京してからは、彼のリサイタルには足を運び、CDを買い…と着実に、ツィンマーマンの成長を楽しみにしていた。好きなヴァイオリニストと人に問われれば、すぐさま「オイストラフとツィンマーマン」と答えていたし、今でも、そう答える。

 昨晩、N響アワーでツィンマーマンのベートーヴェンだということに気づき(夫が教えてくれた)、すぐさまテレビを点けたところ、もう演奏が始まろうというとき。このベートーヴェンの協奏曲は、私が大学2年か3年のとき、弟のような友達のヴァイオリン弾きと二人で聴きに行ったものだった。こうやって改めて聴いてみると、ツィンマーマンの素晴しさが、まずその音色の素直さと美しさにあることが、よくわかる。現在世界的に名を知られているヴァイオリニストの中でも、この点で彼の右に出るものはいないと、私は断言する。まるでヴァイオリンという楽器が、摩擦弦楽器であることを、忘れてしまうような、弓のあたりから立ち上るような美しいピアノやピアニシモ、大きくてもそのまろやかさが壊れない弓遣い。思わずため息が出てくる。どうしてこのような音が出てくるのか。不思議でならない。あえて言うならば、「引き」の美しさ、というのだろうか。「押す」ことも十分に理解し使いこなせる者が、あえて「引く」美しさ。まるで酸いも甘いもかみ分けた、人生経験豊かな人格者のような(???)余裕を感じさせてくれるのだ。この演奏のときはまだ20代というところが、またすごい。

 続いて放映されたブラームスでは(これは指揮サヴァリッシュ、こちらも凄かった)、勿論テクニックも十分に堪能できたが、そのテクニックを嫌味なく披露できるところに、また彼の特徴がある。アゴーギグも自然で、表現そのものにケレン味が少ない。正当派ヴァイオリンとは、まさにこのことだろうか。

 彼のCDの中には、イザイのソナタ全曲というものもあるが、私が一番気に入っているのは、かなり若い頃にレコーディングした、モーツァルトの協奏曲全集だ。これを聴いていただければ、ツィンマーマンが、ヴァイオリン奏者として真ん中の、まっすぐな道を歩むべく生まれた人間であることがおわかりいただけると思う。まず最初、10代でモーツァルトとベートーヴェンの協奏曲を録音した彼は、その後チャイコフスキー、ブラームス、プロコフィエフ、シベリウスと録音して、イザイのソナタ、プロコフィエフのソナタ、サヴァリッシュをピアノ伴奏としての録音など、着実にキャリアを伸ばしてきている。しかし、日本では彼が地味にうつるのだろうか(日本人は見栄えがよくてハッタリが効くタイプが受け入れられる傾向が少々あるようだが、ちょっと嘆かわしい)、この数年音沙汰がなかったけれど、今秋、漸く来日するようだ。N響+サヴァリッシュのサポートで、なんと、ブリテン。流石に私のツィンマーマン様は、やることが違うのである。これは、山形から飛んでいくしかないか…と目論んでいる。





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最終更新日  2004年05月10日 18時51分08秒
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