男と女の間に友情は成立するか?
良く聞くお題である。そして結論は人によってまちまちである(あったりまえ)。おっと危ない、前田のクラッカーが出そうになった(歳)。なのであくまで私の場合を。私の答えは「成立する」である。それが例え恋愛対象であった女性であっても。後はその女性次第である。もちろん、「もう友達には戻れない」という人もいるので、これは致し方なし。10年以上前になるが、ある女性と別れることになった。そのきっかけは「友達」だった。「あなたは友達のほうが私より大事なんでしょ?だったら友達に戻ったら今より大事にしてくれるんでしょ?私は、付き合っていくんだったら、他の誰をも差し置いた一番じゃなきゃ、やなの!」言い返す言葉もなかった。約束は、先着順であって彼女からのお誘いも「ごめん、その日は○○(友達)と出かける日」なんてのもしょっちゅうだったから。その彼女の前にお付き合いしていた女性には相当に振り回されたため、「ここはビシッとした態度で」などと思っていたのだろうか。大切な女性一人、大事に出来なかったことに変わりはない。彼女に対して、女性関係で後ろめたい点は全くない。それは断言できた。しかし、彼女が精神的に傍にいることに「慣れて」しまっていたのだろう。そして甘えてしまっていたのだろう。しかし、友達が自分の宝物であることも事実である。それは今も変わらない。そして彼女は友達に戻った。私がどう変わるのか、見届けたいという理由で。それから二人で会うことは無くなったが、集団での飲み会などでは同席していた。元々、付き合っていたことは親友以外知らなかったので、仲間達といる時は何の変化も無かった。数年後、彼女から電話があった。「赤ちゃんが出来たみたい・・・」当然だが、私の子ではない。だって別れてから手も触れてないもの。花粉みたいに器用な真似、出来るはずがない。1時間くらい話し合っただろうか。パニック状態にある彼女に対して結論めいたものは出なかったが、落ち着いては来たようだ。電話を切るときの彼女の言葉。「あなた、やっぱり友達には優しいんだね。」「・・・・・・ごめん・・・・・・・すまない・・・・・・」「ありがとね」そして電話は切れた。数ヵ月後、彼女は結婚した。披露宴にも招待され、出席した。素直に祝福できた。私も幸せだった。何故なら、彼女がとっても幸せそうにしていたから。一時でも愛した女性が幸せな顔をしているのは、本当に嬉しいものだと、その時思った。仲間の中でも結婚が相次ぎ、集まる機会は忘年会程度になってしまったが、私がフランスに来る際に、壮行会を皆が開いてくれた。そしてその後、少し遠方に住む彼女を駅まで私が送ることになった。10数年ぶりの二人きりだ。最初は他愛ない飲み会の話の続きをしていた。そして、駅について彼女が電車に乗るとき、訊いてみた。「幸せか?」彼女は、あの時の笑顔で片目をつぶってこう、答えた。「あったりまえじゃん!惚れられてるのよ!あたしが一番なのよ!」電車を見送った後、何故か本当に清清しい気分になった。もちろん、彼女に対して恋愛感情は、もう全く無い。しかし、自分が愛した女性の幸せな姿が見られる。それはある意味、最高に幸せなことではないか?今は二児の母となった彼女が、今日も笑顔でいますように。(祈)