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2005年10月10日
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カテゴリ:夜の女性勤労者
 この島には飲み屋街がある。”イーザト”や8番街などなど。
 
 この島に来た年、同級生の同僚とよく行ったのが”フェアレディ”というお店だ。かおりママは身長が高くてモデル並で30代と若く、バーテンの西川君、女の子(従業員)は4人でほとんどが本州の子たち。
 
 最初についた子がキョウコというこで見た目にはショートの似合う子だった。芸能人では”トレビア”で「ウソツキ」と言っている女優さんのような感じだ。
 彼女の来店乾杯後の一声が、
「ねぇ、お得な話を教えてほしい? 」
 闇の儲け話かと思いきや、
「教えて」
「あのね、蟻ってすごい力持ちなんだよ」
”はぁ”
 その後、昆虫談義だ。飲み屋では初めてのタイプだ。ニュータイプの匂いがプンプンする。よく考えると周囲の女の子と着ている物も一味違う。不思議ちゃんタイプだ。これもまた、楽しかった。
 客足が増え、彼女は他の席に行った。次に来たのがかおりママだ。連れの同級生がハーフっぽい非常勤体育教諭と武田真治似の優しく微笑む事務職員だったから、
僕のことをどこかの自営業者と思い込み、
「この店舗、2時閉店だから、その後にこの店舗でホストクラブをやってみない?」
と口説かれた。

 この島にホストクラブはない。飲み屋も大きく分けられている。”本州のコを揃えているお店”、”地元のコを揃えているお店”、”フィリピン”に”喫茶店兼スナック”、”年金通り”などなど。
 そのうちで若い子が揃っているところはほとんど本州の子を揃えてここで働くのも短い。ダイビングをしに来たり、長期休みを利用していたりで飲み屋の仕事でかなりストレスもたまると言う。
 前にホストクラブはあったそうだが、雇われていたのが地元の男性だった。個の島の特徴は男女とも顔はいいが言葉が荒いということだ。場合によっては酒癖も悪い。それですぐに潰れたいう。僕らはみんな沖縄本島出身でここの人々よりも飲む態度はいい。それでホストクラブ経営の話をしていたのだろう。
 でも、どうして僕が社長? 
 この島のどこかに”熱帯魚”と呼ばれるフィリピンパブ”があるという。そこも誰彼に”社長さん”と呼んでいるだろうか。
 接待というよりも業務提携のような話で時間が過ぎた。それはそれで面白かった。ママさんのあと、キョウコちゃんが戻ってきた。そして、閉店。
 帰りの見送りで彼女は信じられない言葉を口にした。
「気が向いたら、また、来て下さい」
 普通の飲み屋ではあり得ない。多くの飲み屋では客確保のため、携帯の番号を交換して”またの来店”をしきりに訴える。それが、
「気が向いたら、また、来て下さい」
 笑うセールスマンの”とまり木”のようだ。今から思うとそれが”キョウちゃん”だったのかもしれない。
 通いなれていくうちに彼女の素顔を少し見た。人見知りをするのだ。たとえばお客さんが5人以上だとつかないとか、千葉出身でいろいろなお店で働いてきてこの島に流れ着いたとか、お父さんのいる日曜日が嫌いだったとか・・・知れば知るほど、その不思議さを解明したくなる。
 そんな彼女は不思議と人気がある。あれから3年経つがその当時から続いているのは彼女だけだ。今年は経営が落ち込んでいるようで従業員の変動も少ない。本州の子たちはキョウコちゃん以外いなくなり、今は”ティアラ”という別のお店から流れてきた女の子たちが働いている。質は・・・若さは平成15年時よりも落ちて、客足もあの当時より落ちている。
 僕自身も行く回数が減っているが、今でも気が向いたときに行っている。でも、思いでも場所だ。

 そういえば、去年、そこで”あり得ない唄シリーズ”と言ってキョウコちゃんとあり得ない唄をカラオケに入れて歌ったことがある。僕一人にあゆみちゃんとキョウコちゃんがついており、最初に”般若心経”に”コガネムシ”、5・6分はカラオケ占拠する”さとうきび畑”通称”ザワワ”にドラマ「高校教師」の”僕たちの失敗”・・・その当時のバーテン”エリカちゃんがあゆみチャンに駆け寄り、耳打ちした。
  後で聞くと苦情だった。そりゃそうだろう。”般若心経”に”コガネムシ”のカラオケが流れてくる飲み屋はどこにいってもないだろう。キョウコちゃんは満足気だった。





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最終更新日  2005年10月10日 09時52分50秒
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Re:この島に来て(10/10)   バーバレイ さん
え?鯉いえ、恋? (2005年10月10日 12時53分12秒)

Re[1]:この島に来て(10/10)バーバレイさんへ   ○農教務部主任 さん
>え?鯉いえ、恋?

 残念ながら、”恋”ではありません。彼女たちは仕事で酔っ払いの話に合わせてお酒を飲ませてナンボです。
 
 いい実験体ってところでしょうか。人と発想が違っていて接待するときの緊張がこちらにも伝わってきたり、腹話術みたいな感じで後輩を諭すこともできます。ただし、このときの後輩は意識のある場合です。飲んで記憶をなす人には諭すこともできません。

 夜の蝶(または”蛾”)と色恋沙汰にはならない気がします。それは彼女たちがビジネスで付き合っている様子がほんの一瞬ですが、垣間見れるからです。席を立つとき、持ってくるとき、タバコを吸うとき・・・何となく感じちゃうんでしょうね。無理矢理、おしゃべりをしているときとかも・・・。
 その辺は彼女たちも上手で、ある程度の関係までしかなれません。同伴のようなものでカラオケや浜に花火をしに行ったこともあるのですが、それだけです。同伴とは別かもしれません。お店が終わってからだから深夜2時以降に海で花火やカラオケです。もう、寮に帰る途中で反省会です。

 ちなみにかおりママ曰く、
”僕は同業者のようで嫌な客”
だそうです。みんな僕よりお姉さんですが、それでも可愛がってもらっています。
 僕は同じ”サービス業”としてサービスを提供する研修だと思っています。聞き分けのないお客(生徒)さんにゴマをするお客(生徒)さん、セクハラお客(生徒)さんに、恵まれないお客(生徒)さん。


 さて、面白い人物は何人かいてこれから気が向いたら、紹介していきますので今後ともよろしくお願いします。 (2005年10月10日 16時01分00秒)


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