書評/澤上篤人「10年先を読む長期投資」
4点/5点小宮一慶「お金を知る技術 殖やす技術」にて紹介されていたので購入。という事で澤上篤人氏の著作を読むのは初めて。「まじめに働いていれば人生設計になんの狂いも生じない、幸せな時代はもう過ぎ去った」と私たちははっきり認識しなければいけません。(p30)というお話からこの本はスタートしている。そして長期投資とは「不況の最中に安値に放置されている株式を目いっぱい買い込む (中略)そして、うねりが大きく上昇して景気が過熱気味の段階になってきたら、保有していた株を売り、利益確定を優先させる。 」(p70)というのが基本スタンスです。しかもこれで企業も助かると言います。「将来の社会や経済のためになる経営をしているものの、いま不況で苦しんでいる企業にたいして、ポンと買いを入れてやる。景気のうねりが下降して、資金の量も回転スピードも縮小している経済の現場に、株を買うことでお金を放り込んでやる。自分たちのお金で優れた企業を応援して、将来の経済全体の発展を下支えしていく」(p73)チャート片手に激しく株の売買を繰り返すパターンと真逆の発想です。しかも出資者個人にとっても、ちゃんとした企業にとってもプラスになる。いわゆるwin-winの関係とも言えるのでしょうか。いや、それだけはなく社会全体も良くなっていく。「みんなhappyになろう」という発想です。経済・金融というのは社会を良くするために存在しているはず。そのことを考えれば澤上氏の発想はかなりまともであると言えそうです。具体的には株式投資と投資信託について書かれています。10年先を読む長期投資お金を知る技術殖やす技術以前書いた「お金を知る技術 殖やす技術」のレビュー→「コチラ」