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林藪の道

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2015.06.28
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カテゴリ:カテゴリ未分類
 金剛棒は幾つかに割れて小太郎と共に跳ね上がって飛んだ。
「うわー-----」
 大勢のがこだまして円海の顔は一瞬微笑んだが、力余って断崖の縁に踏みとどまろうとした。
 小太郎は逆に縁を蹴って円海の後ろに飛び降りた。
 このとき断崖から真っ逆さまになって巨体が落ちてゆく。唖然とした修験山伏の中で弟の鉄海は、
「兄の仇---それ一度にかかれ!」
 すると西教坊が、
「待たれよ、円海は自分で落ちて行った---見よ有り難い大日如来が遣わした猿神たちを!」
「そうだ鉄海殿、あんな目に遭った塚原はだだ避けだけだ------やはり霊山だ!」
 小太郎を吊るした山伏の篠崎と小山はこう言って手を合わせた。   おわり
 
 






Last updated  2015.06.28 09:28:47
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2015.06.27
カテゴリ:カテゴリ未分類
 円海嵩にかかって猛然と追いつめてゆく。これを見た西教坊は、
「これは不味い。願わくば鉄心の1丈2尺を6尺の金剛棒で受けないで---」
 受けたら終りである。山伏らにも分かっていた。
≪天下の剣豪も刀を抜く暇もなくじりじり下がってゆく≫
 円海は赤樫の金剛棒を矢つぎ早にクリだして行く。小太郎はただ飛び下がって避けるだけである。
 すでに背後は断崖の縁である。
 誰もが固唾を呑むなか切羽詰まった小太郎が、受けてはならぬ円海の金剛棒を6尺棒で受けてしまった。
「あ、あっ!」------叫び声。






Last updated  2015.06.27 09:25:22
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2015.06.26
カテゴリ:カテゴリ未分類
「なに!、塚原小太郎とは貴様か?」
「いかにも、よくも汚い手を使って酷い目に合わせたな!」
「お、おっ篠崎あの時の関口だぞ 小山---」
 小太郎を吊るした篠崎らは唖然として≪どういて助かった?≫かと、思って神通力を感じて、
「やはり大日如来のお加護では」とおそれ戦いた。
 これを見た入道円海は、
「馬鹿な、塚原とて何ほどのことあらん、この金剛棒の餌食じゃ---えい!」
 気合鋭く赤樫の鉄心棒が唸りを発した。
 






Last updated  2015.06.26 10:07:56
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2015.06.25
カテゴリ:カテゴリ未分類
「おう、言うまでもない! 吾は当山随一の修験大先達・膝丸入道円海じゃ。出てこい若造、一戟で倒してみせるわ」
 云うが早いか円海は一丈二尺の金剛棒をピューン、ピューン振り回した。芯は鉄棒で金属音がする。
 西教坊は六尺の金剛棒の関口を見て思わずつぶやいた。
「しまった。刀で勝負させたかったが、もう遅い---」
 金剛棒をハッシと受け取った関口は円海に向かって、
「なんじ伊勢において新陰流道場を荒らして病の伊勢守を辱め、更に門弟を打ち殺した覚えがあろう」
「なにを言う新陰流とは名ばかり、できる奴は一人もおらぬ!」
「しからばその新陰流の塚原小太郎がお相手いたす。参られい!」

 






Last updated  2015.06.25 08:44:37
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2015.06.24
カテゴリ:カテゴリ未分類
 慌てた円海はそばの篠崎に言った。
「あ奴は何者だ?」
「あ、あっ!、あれは大木に吊るし上げた野郎です」
「なに、生きていたのか?」
「はい不思議、どうして?」
 首を捻った彼らに西教坊は、
「円海どの、その者は一足先に来た仲間じゃ。拙僧の代わり立会いなされ」






Last updated  2015.06.24 08:57:11
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2015.06.23
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 崖の縁に集まった何百と云う猿が突如、
「き、きっ、きー---」と泣き出した。
 そして真ん中の群れを割って、1人の武士が突っ立って大音声を発した。
「その勝負拙者が引き受け申す!」
「あ、あっ!」
 驚いたのは山伏で信じられぬ顔である。
---それもそのはず、恰も大日如来の化身が猿神を従えて現れたようである。、






Last updated  2015.06.23 09:29:42
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2015.06.21
カテゴリ:カテゴリ未分類
 円海は大声を出して、
「ならば力ずくでとるまで!」
「それは我ら仏法者には許されぬ---しかしたってとあらばお相手いたす」
「おう、ほざいたなこの金剛棒で雌雄を!」
 円海は傍の6尺棒を投げた。西教坊はハッシと受け取った。
 すると願正坊が割って入ると、
「待て、円海とやらずるいぞ、己は1丈2尺でそれも鉄心が入っているだろう---西教坊どの止めなされ」
「いや、わしは元武士短いと言って引くわけにはいかぬ!」






Last updated  2015.06.21 09:19:39
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2015.06.20
カテゴリ:カテゴリ未分類
「そのような者はおらぬ!」
「嘘つけ、この円海の目を節穴とみてか、次第によっては修行僧とて容赦せぬ」
「これはまた、言いがかり」
「何と、ならばその3番目を何と見る---逃げた女じゃ!」
 円海は1丈余りもある金剛棒を、どしんと突いた。
 西教坊は、けらけらと笑って、
「窮鳥懐に入るも猟師これを撃たず、いわんや罪科の無い女子如来の御心じゃ」






Last updated  2015.06.20 09:27:22
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2015.06.19
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 総奥之院と呼ばれた出羽三山の湯殿山である。頂上の高さ1丈2尺の御神体から絶えず吹き出る熱湯は何千年も昔から小丘を滑らかな円い黄土色に変えている。
 いましも11人の修行僧達が念仏を唱えながら登ってくると、突然法螺の音が鳴り響き大勢の山伏が取り巻いた。すると断崖の縁に夥しい猿の群れが現れた。
 異様な状況に西教坊は山伏らに向かって、
「これは、ご修験の方々邪魔なさるな---我らは無量壽経の修業僧なるぞ」
「なにを、ほざく。逃亡者を囲いおって嘘をつき、この大先達・膝丸円海の目はごまかせぬわ!」






Last updated  2015.06.19 09:24:26
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2015.06.18
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 折からの太陽で笠を娘に上げた西教坊の禿げ頭が一際光って見える。11人になった一行が四半時登ったとき、また慌ただしく降りてくる大勢の山伏が立ちふさがって、
「まてー貴僧らだな、女をかばって逃がしたのは?」
 すると西教坊は錫杖をどしんと突いて、
「いかにも愚僧らには敵も味方もござらぬ。ただひたすら御仏の御心の儘、今頃は懸命に下っておろうよ」
「なに、各々方、此奴らに構うなそれ!」
 十数人の山伏は忽ち駆けだした。






Last updated  2015.06.18 08:49:38
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