朝7時。子供たちに朝食支度もそこそこに、
リビングを片付ける。片付ける。片付ける。
だって、無いんだもん。大切なものが。
片付ける。片付ける。片付ける。
バスタオル。誰かさんの靴下かたほう。脱ぎっぱなしの服。
教科書。参考書。ガクフ。
新聞紙、チラシ。雑誌、カタログ。
ダメだ。デテコナイヨウ~。
空のコップ。お菓子の袋の切れっ端。
折り紙の折りかけ。おもちゃ。棒。
レジ袋。
7時半 子供たちは学校へ。
「行ってらっしゃい~」
イカン。もうすぐ夫が起きる。
無い。ナイ。な~い!
ないから無いのだ。どうしても無いのだ。
ピンチだ。
昨日。そう、今からほんの10ウン時間前に買ってもらった首飾りがない。
夫に、さんざん品定めしてもらって
「こっちはどう?あのワンピに似合う?」
質問攻めにしてやっと決めたのに。
そもそも、お母様に去年いただいた赤いとんぼ玉のネックレス。
それを失くして、泣く泣く代わりを買ったのだ。
なんで?それを20時間もたたずに、また?
ありえない。
ローテーブルの上にも下にも書類がいっぱい。
ダイレクトメール、学校のプリント。
お絵かき帳。えんぴつ、マジック。
消しゴムがあちこちから3つも4つも。
封を切ってあるポケットティッシュも6つ。
我が家は「ミッケ」状態。
7時50分夫起床。
「あっ、おはよう」涼しい顔で、何事もない素振りで
朝ごはんを出し、
昨日の洗濯物をたたむ。今日の分を一生懸命干す。
ない。エプロンのポケットにもない。
書類の整理箱にもない。
コート掛けの冬物衣類を
洗うものとクリーニングに出すものに仕分け。
ポケット、ポケット。点検しながら探す、探す。
夫は私の普段とは違う働きぶりに、何かを探していることを敏感に察知。
「とんぼ玉、見つからないのかい?」
ヒエ~ッ。どうしよう。
助けて。
言うべきか。隠しておくべきか。
「今探してるのは、昨日買ったほうの首飾りです」って。
……。
「ボショボショ…」
「えっ?」
「だから~、昨日買ったやつも無いの」
「……ありえないでしょ」
「うん」
結局、名探偵夫のおかげで、失せ物はこの5分後
台所のイスにひっかけたポーチから発見。
自分でここに入れたのに記憶喪失な私。
家、年末大そうじぐらい片付きました。
っていうか、どんだけ散らかってるんやって話ですね。