だんだんと 2
だんだんといつもの自分になってきて、よい感覚がする。
春もだんだんとやってくるのがわかるし、そして歩きながら、もう来ているとわかる。
今日は追加工事の見積作成と、新規内装工事の見積り依頼、サンプル依頼、着工が近い物件の家具図作成などなど…。
ほぼ作業だから仕事らしい仕事をした気になってしまう。
昼はビル近くの喫茶店でパンを食べた。
就職活動中の真新しいリクルートスーツを着たゆるいネクタイの男の子が、飲み物そっちのけで一生懸命履歴書を書いているのが見えた。
なぜここで書いてるんだかわからないが、もっとアタックしようと思ったのだろうか。
よく見ると、リクルートスーツの人は他にも何人もいたし、年配者も多く、なんだかいつもと客層が違った。
卒業式シーズンだし、何かと節目の頃だ、当然か…。
やっぱり、だんだん春が来ていた。
夜は、明日の外回り準備と、進行中物件ファイルの整理整頓をした。
ついでに先日上司に教えてもらった非常に良いという京都の角屋のことをネットで検索する。
かつて遊廓だったという建築写真が目に入る。
行ってみたいな~と思いながら、概要や行き方をコピーして、個人フォルダにいつものようにストックする。
さあ、もう21時だ、帰ろう。
パソコンの電源を落とす。
なんとなく、だんだんと忙しくなるような気がした。
雑談に花が咲いている皆をよそに会社を出る。
夜も、だんだん春らしい生暖かい風に変わってきていた。
だんだん
だんだん
だんだん
何かが静かにやってきているような気がした。
After winter, most come spring.
Everything is everything.