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三位一体療法のススメ[その1]

減量には、入ってくるエネルギーをこれまでより減らし、消費するエネルギーを増やすことが必要ですから、食事療法は欠かせません。どれくらい摂取エネルギーを減らすのか。それにはまず自分の標準体重を知っておかねば話になりません。

 標準体重は<身長(m)×身長(m)×22>

の式で求めることができます。例えば身長1m70cmのBさんの場合<1.70×1.70×22>で、63.6kgとなります。

次に表に示した「1日の必要エネルギー量」を見てください。
Bさんが一般事務のサラリーマンだとすると、標準体重1キログラム当たりの必要エネルギー量は表から、25~30キロカロリーですから、1日の必要エネルギーは<体重63.6kg×25~30kcal>で、1590~1908kcalになり、これが食事療法の目安となります。
しかし、摂取エネルギー量を極端に制限すると、逆効果になることがありますから
 <男性では1600キロカロリー程度>
 <女性では1400キロカロリー程度>
を限度にします。


次に、三大栄養素の割合を考えねばなりません。まず、ご飯、パン、うどん、そばといった炭水化物の必要量を決めます。炭水化物は脳や腎臓のエネルギー源としても重要で、制限しすぎて、体内のグリコーゲンの貯蔵量が減ると食欲がわきますから、1日の摂取エネルギーの60%を炭水化物から摂取するようにします。

たんぱく質は、摂取エネルギーを減らすと、その利用効率が低下しますので、標準体重1キロあたり1.1~1.5グラムとやや多めにとるようにします。


・1日のエネルギーの60%・・・炭水化物で
・たんぱく質は多目に
・脂肪は少な目に。極端な制限は禁物
・ビタミン、ミネラルは十分に


食事に栄養のバランスを


脂肪は制限しますが、ビタミンA、D、E、Kのような脂溶性ビタミンは脂肪と一緒に吸収されますから、極端な制限は禁物です。脂溶性ビタミンが欠乏すると、夜盲症、骨粗しょう症などが起こりやすくなり、皮膚の色つやがなくなることがあります。

代謝を活発にするためにビタミン、ミネラルを十分含んだ食品をバランスよくとるよう心がけてください。さらに、食物繊維の豊富な食品には (1)消化しにくい (2)栄養素の吸収を遅らせる (3)そしゃくに時間がかかり、食欲をおさえる、などの利点がありますので、これも積極的にとるよう心がけてください。

食事療法にも短所があることが、最近わかってきました。

摂取エネルギーを制限すると、まず安静時の代謝率が低下します。そして、食物を摂取した後、消化、吸収、貯蔵、それぞれのプロセスで体は熱を発生しますが、この食後の熱産生も低下します。これらによって、減量のスピードが鈍ったり、反対に体に脂肪が増えたりする“はねかえり現象”(反動)が起こることがあるからです。

さらに、減量の目的である体脂肪が減らずに、筋肉や骨の方が減りやすくなり、やつれてプロポーションが悪くなる場合もあります。

筋肉が減るために、炭水化物の利用を高めるインスリン(インシュリン)の働きが低下することも、食事療法のマイナス作用として知っておく必要があります。


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