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がんのない未来

私たちは、がんから逃れることができるでしょうか? がんの未来図には、望みもあり危険度もありといったあいまいな図柄が見られます。最近のがん研究では、あるタイプのがんが減少する傾向が見られますが、劇的な増加を示すがんも見られるのです。ライフスタイルを慎重に選んで、がんの危険性を最小限にしたいものです。そして、ますます健康に生活を送りましょう。



喫煙習慣の減少で肺がんの罹患率が、1970年代以来低下しました。しかし、その一方で不協和音も聞こえてきます。Annual Review Of Public Health(1999年)によると、アメリカ人女性の間で全体的ながん罹患率が20%以上、男性では50%以上も増加したということです。

今日、白人女性の乳がん患者は、前の世代に比べ40%も多くなり、黒人女性での危険性も約54%増加しました。

他にも、1970年代以降、睾丸のがんが50%以上多くなったということです(Dialogues in Ped Ur2000年)。このがんは、特に30代の男性に多く見られています。これは進行するのに数10年ほどかかるため、子供時代に受けた発がん物質の影響に関連があるのではと、研究者は考えています。

アメリカでは、がんがかなり深刻な問題となっています。毎日、1千500人以上ががんによって死亡しており、これは心臓病に続いて2番目に多い死因となっています。死亡者の4件に1件ががんなのです。この国では、ここ10年の間に、500万人ががんで死にました。さらに昨年は、新たに120万人ががんに罹っています。

米がん協会(American Cancer Society)によると、環境因子(喫煙、ダイエット、感染性疾患など)がアメリカのがんの4分の3に関連しているということです。今日の政治的な社会では、環境がどのようにがんに影響を与えているかに関する分析は、かなりの論議を呼び起こしています。米がん協会の疫学、調査研究の権威、クラーク・W・ヒース・ジュニア(Clark W. Heath Jr.)医師のような専門家の「発がん物質の濃度が低くそれほどの影響を受けないところでは、患者の数も少ない」という見方があります。 また、同医師は「野菜や果物をたくさん食べる利点は、食品に付いている残留殺虫剤による発がん物質の悪影響を上回る」とも述べています。

また、W・ジョン・ダイアモンド(W. John Diamond)医師、W・リー・カウデン(W. Lee Cowden)医師、An Alternative Medicine Definitive Guide to Cancerの著者、バートン・ゴールドバーグ(Burton Goldberg)氏のような「殺虫剤の使用は、隠れた殺し屋である化学物質が直接腫瘍を大きくするばかりでなく、免疫システムを弱め疾患に罹りやすくなどする」という見方もあるのです。

ダイアモンド医師らは、大量の殺虫剤を浴びる農業従事者にがんが多い事実が裏付けられていることも強調しています。幾つかの研究でも、非ホジキンスリンパ腫、睾丸がん、神経システムの腫瘍、ホジキンス病、内分泌腺のがんのような疾患が、殺虫剤を多く扱う機会のある労働者に多く見られることを指摘しています(Brit Jrnl Med)。ヒース医師は殺虫剤の扱いに関する危険性には反対を唱えませんが、一般的にはこうした化学物質の危険性はそれほど大きいものではないと考えています。

がんの数種は、体内を周るホルモンに影響されます。例えば、多くの研究を基に、女性ホルモンのエストロゲンは、乳がんなどのがん成長を刺激すると考えられています。Journal of the American Medical Association(2001年3月21日号)に掲載された研究によると、ホルモン治療(HRT)としてエストロゲンを少なくとも10年体へ取り入れている閉経期後の女性では、卵巣がんの危険性が2倍になるということです。

               

研究者によれば、卵巣がんはそれほど一般的なものではなく、女性の一生で罹る危険性は2%未満だということです。女性20万人以上を調べた研究では、ホルモン治療を受ける期間が10年未満なら、この病気にかかる危険性は殆ど見られないと指摘されています。

一方で、エストロゲンを配合している避妊薬は卵巣がんの減少に関係するともいわれ、ホルモンとがんの問題を複雑にしています。
 しかし多くの専門家の間では、私たちの周囲で出会うエストロゲンに似た物質がちょっとした話題になっています。この物質は、がんの危険性に影響を与えると考えられているのです。

例えば、大豆などの植物に含まれるフィトエストロゲンは、体内で弱いエストロゲン効果を発揮します。これらのフィトエストロゲンは、より強力で有害なエストロゲン効果を妨げることで体を保護するのだと多くの研究者は考えています。トリ・ハドソン(Tori Hudson)自然療法医は、Alternative Medicine Guide to Cancerの著者に「フィトエストロゲンは、エストロゲン結合サイトを邪魔し、子宮を保護する(前がん状態である類繊維腫を防ぐ)効果を示す」と述べています。

大豆のフィトエストロゲンは前立腺がんを予防するという指摘をした研究もあります(Lancet1993年)。一方、環境毒素であるPCB(ポリ塩化ビフェニル)のような汚染物質は、がんに罹る危険性を増す有害なホルモン変化を起こします。ケース・ウエスタン・リザーブ(Case Western Reserve)大学の研究(Env Hlth Persp1997年)によると、PCB、プラスチック製品、殺虫剤に含まれる合成化学物質の分子構造が、体内からの排出を遅らせ毒性を増すということです。 フィトエストロゲンは水溶性で体から簡単に出て行きますが、こうした合成化学物質は脂肪に付着してしまうのです。従って、毒性化学物質が乳房などの脂肪組織に蓄積され、さらにがんに罹りやすくなるのです(www.wri.org/health/s-mol.htm)。
Milky Questions(ミルクの疑問)
ミルクもまた、がんの危険性をはらんでいるということです。ハーバード大学公衆衛生科栄養学のウォルター・C・ウィレット(Walter C. Willet) 医師によると、乳製品を多く摂取する食生活は、前立腺がんの危険因子として関係があるということです。著書、Harvard Medical Guide to Healthy Eatingでは、「前立腺がんに最も深く関連する食生活の要因はミルクなど乳製品の多量摂取であることが、9件の研究で明らかにされている」と述べられています。



同医師によると、ミルクはまた、卵巣がんとも関連するということです。「ミルクに含まれるラクトースの消化で分泌するガラクトース濃度が高い場合、卵巣にダメージを与え卵巣がんを引き起こす恐れがあることが研究で指摘されている」とも話しています。遺伝子ががんの危険性に影響を与えますが、ライフスタイルの選択を誤ったり環境の汚染物質に多くさらされると、その危険性をさらにアップさせることにもなりかねません。

スカンジナビアの双生児4万人を調べた研究では、遺伝子に関連した乳がんは4件に1件。直腸がんの危険性が35%、前立腺がんは10件に4件だったことが分りました。環境毒素やライフスタイル要因は、がんの危険性の半分以上に関係するようです(NEJM2000)。つまり、今後がんに罹るかどうかは、あなた自身にかかっているともいえるでしょう。慎重なライフスタイル選びを行い、直射日光を避けがんの心配のない道を歩いていってください。
Eight Basic Steps to Lower Your Cancer Risk
(がんの危険性を下げる8つの基本ステップ)

1. 1日に最低30分は運動すること。好きな運動を選び、持続させること。

2. 喫煙習慣を止め、できるだけ間接喫煙も避けましょう。

3. 脂肪の多い肉類を食べないようにすること。こうした肉の飽和脂肪はがんの危険性を高めます

4. 食物繊維の多い未精白の穀類、野菜、果物を多く摂りましょう。できれば、オーガニック食品 をお勧めします。

5. 脂肪や糖分が大部分の加工食品は避けるように。

6. 酒類は、1晩に2杯未満に抑えて。

7. 日中の日光は浴びないほうが無難です。日の下に出る場合は、日焼け止めを塗りましょう。

8. 医師と相談してがん検査を受けましょう。


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