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慢性疲労症候群

夜遅くまで仕事をした後、なかなか眠れず次の朝くたくたになっていることに気づきませんか? 仕事をしていてもうっとうしい倦怠感が付きまとい、エネルギー切れや集中を失っていませんか? 映画の登場人物、ジョー・ブラックのセリフまがいに、疲労は無限に大きくなるばかり、慢性疲労症候群の特効薬は未だ手の届かないところにあるのです。

米国の慢性疲労症候群(CFS)患者は300万人以上。特に女性に多いといわれています。その原因は不明ですが、カンジダ(酵母菌)ウィルスや寄生虫が犯人に挙げられることはよくあります。また、白血球増加症の原因となるヘルペスウィルスの一種、エプスタインバーウィルス(EBV)が病原だという専門家もいます。そして別の専門家は、歯科用アマルガム(合金)から起こる水銀中毒、低血糖症、甲状腺機能不全症や免疫システムに生じている何らかの問題を挙げてもいるのです。


CFS患者の感じる疲労は、ちょっとやそっとのものではありません。激しい疲れを耐え忍んだ挙句、朝ベッドから出られなくなってしまうほど。ちょっとした仕事でも衰弱疲労が生じると、休憩や睡眠もあまり役に立たなくなるのです。医療関係者はCFSを、突如として嵐のように訪れ、数ヶ月にも渡って日常生活をこわしていく極度の疲労というふうに言い表しています。

この他の症状には、微熱、頻繁に起こるのどの痛み、リンパ節の痛み、筋肉衰弱や痛み、頭痛、関節痛、意識障害、かんしゃく、睡眠障害、明るい光に対する過敏症などがあります。CFSは目新しい病気ではありません。著書「Encyclopedia of Natural Medicine(自然医学百科)」の中で、マイケル・ムーレー(Michael Murray)、ジョセフ・ピッツォルノ(Joseph Pizzorno)両博士は、CFSの症状が、慢性白血球増加症候群、慢性EBV症候群、ヤッピー・フルー(筋肉性脳脊髄炎)、後ウィルス性疲労症候群、慢性疲労、そして免疫不全症候群などのような病気として1860年代から記録されていると説明しています。



Natural Treatment(自然療法)
CFSを自己免疫疾患と考える専門家は、免疫を高めるハーブや栄養素がこの症候群に見られるエネルギー喪失を食い止めるという意見を持っています。レンゲソウやエキナセアは確かに免疫システムを高め、ギンコビロ-バは脳への循環を良くすると考えているのです。ジェイムス・ボルチ(James Balch)博士とフィリス・ボルチ(Phyllis Balch)氏は、共著「Prescription for Nutritional Healing(栄養回復のための処方箋)」の中で、昆布茶が時としてCFS患者に新しいエネルギーを与えることを指摘しています。伝統中国医学の医師にとって、疲労や体力減退を軽減するものといえば、ジンジャーや甘草の根、シベリア朝鮮人参なのです。

ムーレー、ピッツォルノ両博士もまた、シベリア朝鮮人参摂取の支持派です。健康体の被験者36人に毎日シベリア朝鮮人参か偽薬(代用製剤)のどちらかを1ヶ月間投与したところ、シベリア朝鮮人参を与えたグループでは、免疫に有用性のあるT細胞やナチュラル・キラー細胞の数が増えたということです。別の栄養素についてムーレー、ピッツォルノ両博士は、どの栄養素もほんの少しでも不足すれば、慢性疲労を引き起こすと指摘します。マグネシウムの低濃度とCFSとの関連性を示す研究結果が多く発表されることからマグネシウム補助も薦めていますが、この他には多めのビタミンCと一緒に強力なミネラル入り総合ビタミン剤を飲むことも薦めています。スーザン・ラーク(Susan Lark)博士は、著書「Chronic Fatigue: Self Help Book」の中で、マグネシウムとりんご酸併用を薦めていますが、これはATP(アデノシン三リン酸=食品を体に必要なエネルギーへ転換する結果生まれる化学物質)の生成を助けるものです。

   
ラーク博士らは、カンジダ感染を食い止めるために乳酸菌(無害な)バクテリアを、エネルギー促進や免疫向上にはレシチン摂取を薦めています。ガーリックも免疫システムを高め、寄生虫を殺すのに有効性があるということです。ビタミンB複合は多めのビタミンB12と共に摂取すると、自然のエネルギー促進役となります。

Food and CFS(食品とCFS)
専門家も患者も、極度のストレスが続いたり栄養不足に陥ると、CFSの症状が現れてくることを指摘しています。ラーク博士は、飽和脂肪や動物性プロテイン、アルコール、カフェイン、精白糖を抜く抗疲労食を支持。また、鎮静効果のあるアミノ酸のトリプトファン値が高い乳製品も取るべきではないという助言をしています。ナトリウム(塩)の多量摂取は、CFSの症状を悪化させると指摘されます(しかしナトリウムは、低血圧の症状を持つCFS患者には有用という専門家もいる)。

同博士はまた、大豆あるいはナッツミルク、豆類、エンドウ豆、食用種、魚、マメ科野菜、豆腐、芽キャベツを摂るよう助言しています。さらに、ほうれん草、ブロッコリー、豆、じゃがいも、スイートポテトといった野菜をCFS患者の食生活の中心に置くよう指摘します。一方、ムーレー、ピッツォルノ両博士は、CFS患者が特定の食品アレルギーを起こすことがあるため、過剰反応に対する自己テストや医師の診断を受けることも忠告しています。


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