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がんと免疫・・・・癌を寄せ付けるな

この100年の間に、科学者たちは病気と戦う免疫システムが、身体をがんから保護する要塞として使われることを探り出しました。免疫システムががんを防ぎとめるかもしれないという理論の臨床的な裏づけが、次々と波のように押し寄せたのが1800年代。バクテリア感染を起こしたがん患者に、腫瘍の退行が時として、見られることに医師たちが気づいたころでした。

免疫システムには、血球とそして感染や体内で増殖するがん細胞を防ぐプロテインとの複雑な相互作用が組み込まれています。ワシントン州マウントレークテラスのヘルス・アンド・ウェルス協会(Health and Wellness Institute)創立者、ジョン・カタンザロ(John Katanzaro)自然療法医は「がんは、基本的に侵略のプロセスだと考えられる。誤った行動を起こす細胞があって、それを食い止めなければならないというメッセージを、免疫システムは受け取るのだ」と述べています。

人の胸腺が、がんやウィルス、バクテリアとの戦いを調整するものと考えられています。Bリンパ球(B細胞)と呼ばれる免疫細胞が骨髄で作られるのです。B細胞は、体内で怪しい物質に出くわすと、抗体というプロテインを形成します。こうした抗体は、同様の物質がこの先また侵略してくる際、認識するよう化学的に組み立てられているのです。デンバーにあるAMCがん研究センター(AMC Cancer Research Center)のCEO、トム・スラガ医師(Tom Slaga)は「それは、カギと錠前のような関係。侵略者に反応してそれを無害にできる抗体の形成には多くの特異性がある」と説明しています。

Antibody Production (抗体生成)
がん細胞は抗体の生成を刺激します。これら抗体は、がん細胞の内膜を貫いてがんを破壊するよう白血球を呼び出すか、プロテインに命じるのです。

スラガ医師は「侵略の入り口である消化システムや口腔は免疫システムと連結している。例えば、モノが口腔に入り込むと、唾液や酸の多い胃液で侵略者を殺そうとする。また、異物が入ってくると、特殊な抗体抗原タイプ反応を開始する。例えば、がん細胞が形成される場合、がん細胞を破壊しようとするナチュラルキラー細胞という特殊細胞が出てくる」と説明します。
Boost Immunity With Nutrients (栄養素で免疫システムを促進する)
Cancer, An Integrative Approachの著者、カタンザロ医師は「がんに罹る要因は数多くある。遺伝子、環境、感情や精神状態などの要因だ。その中で食事は大きな部分を占める。食品が人の薬にならない場合、それは障害物となる。純粋で良質の食品を食べる良い食生活を送れば、癒すエネルギーを生み出す」と説明しています。

スラガ医師も「野菜や果物、未精白穀類、豆類をたっぷり取る健康的な食生活を送るなら、健康なDNA修復システムや強化された免疫システムと同様に、健康的な解毒システムができる基盤を身に付けることになる」と話します。

ミネラルの亜鉛やセレンもまた、免疫機能を支援するものです。補酵素Q10として知られている栄養素も「優秀な抗がん作用を果たす。細胞機能を強化するため細胞レベルで働く」ものだと、カタンザロ医師は太鼓判を押しています。

            

Moving Around and Around (くるくる動く)
エクササイズも役に立つものです。スラグ医師は「良いものでも過剰に食べエクササイズをしないなら、結果としてフリーラジカルの形成を招き解毒しなければならなくなる。適度な運動は、こうした無駄なカロリーを燃焼する能力を増すため、フリーラジカルの有害影響を少なくする」と述べ、1週間に3-4日、1回に30分から1時間のエクササイズを薦めています。「始めたばかりなら、5-10分でも何もしないよりいいし、少しずつでも良い。つまり、エレベーターを使う代わり歩くという具合だ」ということです。

The Right Kind of Fat (良い脂肪を選ぶ)
亜麻、魚、麻のオイルに含まれるオメガ3という脂肪は、免疫組織強化に役立つもの。スラガ医師によると、オメガ3は生命に必須のものだということです。免疫システムのあらゆる局面で役立ち、脂肪酸が十分に摂れていないと、免疫システムを危険にさらすことになりかねないのです。

カタンザロ医師は「亜麻オイルを1日に大さじ1杯でもとれば、心臓や血液、免疫システムの強化になる。非常に強力な薬効を持つものだ」と話しています。
Other Immunity Nutrients (他の免疫栄養素)
この他、数種の栄養素もまたがんの防御を支援するもの。例えば、ベータグルカンは、炭水化物分子が独特なパターンで配列している複雑な混合物で、オーツや大麦、マッシュルーム、イーストといった植物に見られます。カタンザロ医師は「サプリメントとして摂取するのが良い。イーストに問題を持つ人は多いので、食品から摂りたくないだろう。栄養剤としてならさらに多くの有効性を発揮するため、単一栄養素として摂取するのを薦める。強力な生化学免疫調整剤だ」と述べています。

スラガ医師も「ベータグルカンは免疫システムの刺激作用を果たし、抗原に対する抗体の攻撃を開始できるよう、免疫システムをさらに健康的にする。また、ナチュラルキラー細胞を強化しがん細胞への攻撃を効果的にする」とも話しています。多くの研究者の期待をさそうベータグルカンの供給源には、日本を原産とするマイタケがあります(Chemo1990年)。ある研究では、マイタケが腫瘍の増殖を抑えることを指摘しました(Chem and Pharm Bulletin1987年)。

カルシウムDグルカレートは、りんご、グレープフルーツ、グレープ、またブロッコリーやカリフラワー、キャベツ、オランダガラシといった十字花野菜、そしてもやしなどの有機野菜、果物に見つかる自然物質。スラガ医師は「これは健康な免疫システムを維持し、全般的な消化器系疾患を減らしてがんを防ぐ効果を発揮すると思われる。また、全体的な解毒プロセスを増強する」と話します。 また、カタンザロ医師によれば、カルシウムDグルカレートはサプリメントとして摂取できるということで、ホウ素と一緒に摂取するとエストロゲンのホルモン代謝に力を貸すそうです。

             


スラガ医師は「初乳は免疫システムを第一歩から構築するのに非常に重要なもの。活力を満たし、免疫システムの様々な面に作用する。免疫システムは、脳のような記憶作用を持っている。ポリオワクチンを接種すると、免疫システムは数年後でもそれを認識し反応する。そうしたことから、初乳はあらゆるシステムを作動させるのに、人生の初期段階で重要な役割を果たす」と述べます。

さらに、松の樹皮エキスも免疫を支援するものです。ニュージーランドの松であるPinus radiataエキスを調べた最近の研究では、強い抗酸化作用を示したことが分かりました。

同じく、スピルリナという藻も人の免疫反応を支えるものであることが指摘されています。研究者は、実験室で人の免疫細胞にスピルリナをあてたところ、藻が免疫細胞の生成を増加したことが分かりました(Jrnl Med Food2000年)。

がんの危険性は年を取るごとに増します。だからこそ、がんを防ぐライフスタイルが年毎に大切になってくるのです。カタンザロ医師によれば、老化過程は細胞の中でも起こるということ。だから、食生活、ライフスタイルのバランスを保ち、老化過程を遅くする栄養素を駆使して細胞が回復力を失わないようにすることが大切だというのです。


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